【発災から7ヶ月】2024年石川県能登半島地震、継続支援中

2024年1月1日に発生した、石川県能登半島地震から7ヶ月経ちました。ピースボート災害支援センター(PBV)は発災直後に現地入りし、現在も珠洲市と輪島市にて現地の団体、関係機関、支援団体と連携しながら支援活動を継続しています。

半年を越えて、現地のニーズや支援内容も大きく変化しています。この1ヶ月の支援をまとめました。

<発災後の動き>

1月2日 PBVスタッフ数名を現地に派遣
1月3日 炊き出し、物資配布開始
2月2日 災害ボランティアの登録開始

※詳細な活動また先月までの活動のようすは、下記のレポートをご覧ください

 ⇒ 初動レポート
 ⇒ 発災から1か月レポート
 ⇒
発災から2か月レポート
 ⇒ 発災から3か月レポート
 ⇒ 発災から4か月レポート
 ⇒ 発災から5か月レポート
 ⇒ 発災から半年レポート

 

現在継続中の支援活動について

支援拠点の運営(珠洲市大谷地区)

珠洲市ではいまも上水道の早期復旧困難地区が存在し、水道が使えない状況の中で生活を強いられている人たちがいます。​
PBVはその中でも特に市街地からもっとも離れていて、地域内唯一のスーパーも被災し買い物にも不自由している大谷地区において「支援拠点」を設け、週一回「物資配布」とお茶を飲みながらおしゃべりできる「サロン」を開催しています。
 
住民の7割がこの場所を離れてしまっている現状があり、元々あったコミュニティが維持できない中での生活で、週一回この場所に集っておしゃべりをすることが唯一の楽しみとおっしゃる方もいます。
​半年が過ぎた直後の開催では「あ〜!元気にしてたの?」と半年ぶりの再会を喜び、抱き合い涙する姿もありました。
 


今後は暑さ対策を行いながら、引き続き、支援拠点の運営を行っていきます。
 
 

避難所運営支援(輪島市・輪島中学校)

避難所のひとつである輪島中学校。運営は、住民の方々から、次に対口(たいこう)支援、そして現在はPBVにバトンが渡っています。「対口支援」とは、被災していない他の自治体が被災した自治体を支援するという意味です。輪島市には、大阪や岐阜などさまざまなところから自治体職員が支援に駆けつけていました。

避難所での取り組みのひとつに、「暑さ対策」「虫対策」としての網戸の設置があります。とはいえ網戸だけでは限界があるのも事実です。現在はエアコンが設置され、体育館という大きなスペースではありますが、涼しい環境になっています。後付けのため電力が足りないことから、屋外では大きな発電機が仕事を続けています。
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「避難所運営」とは、具体的に何をしているのでしょう。

主には、
・食事の準備、提供
・住民の方の情報把握
・住民の方への情報提供
・環境整備
・メディア対応
などです。

どれも重要ですが、今回は環境整備に関してお伝えします。
実施していることは、感染症予防、清掃、虫対策、物品発注、物品補充。またいち例として、就寝時の照明は半分のみ消灯することにしていました。しかし睡眠の質が低くなってしまうことから、足元にライトを設置することで全照灯を可能に。ということも実施しました。細部にまで気を配ることで改善点を見つけ対応していくことがとても大事です
 
避難所という名前ではありますが、自宅のように安心して日々帰ってこられる雰囲気づくりを続けていきます。​
今日も朝には「いってきまーす」、夕方になると「ただいま〜」「おかえりなさーい」という声が体育館に響いています。
こちらの写真は日々のルーチンのひとつ、「トイレ掃除」です。感染症予防のためにも、とても重要な仕事です。
 
 
 

避難所運営支援(輪島市・鳳至小学校)

避難所のひとつ、鳳至(ふげし)小学校で、PBVは避難所運営のサポートをしています。
日中の避難所はとても静かです。平日だと数人の方しかいらっしゃらないこともあります。朝には仕事や学校、家の片付けなどで多くの方が外へ出られるからです。昼食に戻ってこられる方もいらっしゃるので、食数を把握し準備することも日々行っています。
この避難所では、朝食はパンやジュースなどをセルフスタイルで、昼食は給食、夕食は地元のお店によりお弁当が提供されています。
 
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発災当初は、芸能人が来られたり、全国から炊き出し支援があったりしました。現在は食事を提供できていることもあり、そのような形の支援はだいぶ落ち着きました。
一方で先日ご支援いただいたのが、スイーツの提供。はるばる島根県からお越しいただいたみなさんにぜんざいを振る舞っていただき、とても喜ばれました。
 

入浴支援と雇用創出「まちのの湯」(輪島市)

​PBVが設置し運営を担当している輪島市町野町の入浴施設「まちのの湯」。日々、近隣住民の方だけでなく、支援者、工事関係者にも入浴機会を提供することができています。

また同時に地元の6名の方に雇用を創出することができました。「まちのの湯」にてスタッフとして働いている地元の方の声をご紹介します。
 


「地震発生直後から自衛隊によるお風呂があったけど、なくなるって聞いて。片付けなどをすると埃まみれになったりもするから心配していたんです。そしたらPBVがお風呂の設置運営をすることを聞いて。実際に自衛隊が撤退して数日後に「まちのの湯」オープンしたからびっくり。そんな時にお風呂の運営スタッフを募集しているというチラシを見て応募しました。
スタッフになって良かったと思うのが、地元の方々と仲良くなれたこと。元々顔見知りだったけど、そこまで話をしたことがない方々も多くて。でも、スタッフになったことで震災の話、日常の話などをしているうちに、震災前よりもずいぶん地元の方々との距離が縮まったなって思います。
またこうやって雇用をつくってくれたことにもありがたいと思っています。『まちのの湯』がクローズになるその日まで頑張っていきたいと思います」

受付にいると時には差し入れもあるそうで、「ちょっとでかけてきたので、皆さんでこれ召し上がってよ」とドーナツをいただいたり、花壇を設置いただいたり。

PBVスタッフも現地のスタッフの方と一緒に、入浴に来られる皆さんとのコミュニケーションをありがたく楽しませていただいています。
 
 
 
 
 

その他のできごと

 

能登半島地震報告会&企業の支援について(アーカイブ公開中)

発災からちょうど半年となる7月1日、企業の災害支援に焦点を当て、【PBV報告】「能登半島地震から半年 企業はどう関われるのか?」を開催しました。アーカイブ動画は8月31日まで公開してますので、ぜひご視聴ください。

 ⇒【見逃し配信】「能登半島地震から半年 企業はどうかかわれるのか?」

また、ご視聴になりましたらぜひ 《アンケート》にご協力いただけると嬉しいです

 ⇒アンケート

 

ご寄付をいただきました

7月17日(水)、ミュージシャンのGAKU-MC(ガクエムシー)さんが能登半島を訪問されました。PBVの活動や被災地を視察されたほか、活動支援金のご寄付をいただきました。

GAKU-MCさんは17日午前中に輪島市に到着。PBVが運営支援をするお風呂「まちのの湯」を訪問した後、PBVのアテンドのもと、倒壊した「五島屋ビル」や、火災に遭った朝市、地震で隆起した海岸性などをめぐりました。

  

また、ご寄付のほか、ご自身のサインとメッセージの入ったTシャツも寄贈いただきました。

GAKU-MCさんは、2011年より、復興支援を目的とした akali to Live [アカリトライブ] を開催しています。17日夜には、能登半島地震復興支援のための『アカリトライブ in 能登』を、被災した和倉温泉にておこないました。和倉温泉の店舗が集結した屋台村にて、ストリートサッカーと歌と食によるイベントをおこない、被災地を応援されました。

天気があまりよくないなかではありましたが、支援活動の力強い後押しをいただきました。

 

今後の支援予定

現在、毎日のようにいくつもの関連団体と、被災者状況の共有や課題、解決方法を話し合いながら活動を進めています。

これまでの活動のようすを35以上のメディア(新聞・ラジオ・ネットニュース・配信番組など)で取り上げていただいています。動画・写真・インタビューなどにて紹介されており、アーカイブもご覧いただけます。
 ⇒ メディア掲載情報はこちらよりご覧ください。

今後も引き続き、中期的な支援のために、被災者の生活再建に関わる「コミュニティ形成(サロンの実施など)」「避難所運営サポート」「備品の提供(仮設備品支援など)」に力を入れていきます。

そのほか状況に応じて、「被災家屋の応急対応・保全」「災害支援のノウハウ提供や支援調整」「災害ボランティアセンター運営サポート」など、地元の団体や関係機関、支援団体と連携し、現地のニーズに合わせた支援活動を検討していきます。

 

長期的なご支援をお願いいたします

「2024年石川県能登半島地震 緊急支援募金」ご寄付はこちらから

 

「災害支援サポーター」はこちらから

今後の長期にわたる支援は、継続的に支えてくださる「災害支援サポーター(マンスリーサポーター)」のお力が大きな助けとなります。ぜひ、長期的なサポートにご協力お願いします!

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