【発災から3ヶ月】2024年石川県能登半島地震、継続支援中

2024年1月1日に発生した、石川県能登半島地震から3ヶ月が経ちました。地震の被害に遭われた全ての皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

ピースボート災害支援センター(PBV)は、発災直後に現地入りし、現地の団体や関係機関、支援団体と連携しながら支援活動をおこなっています。

 

<発災後の動き>

1月2日 PBVスタッフ数名を現地に派遣
1月3日 炊き出し、物資配布開始
2月2日 災害ボランティアの登録開始

※詳細な活動は、前回のレポートをご覧ください
 ⇒ 発災から2か月レポート

 

現在、こんな支援をおこなっています

PBVスタッフは現在、珠洲市、輪島市にて活動しています。各支援団体や行政の方々と情報共有を日々おこないながら、連携して炊き出しなどの活動を継続実施しています(※後述)。

 

食事支援(炊き出し)提供、炊き出し調整の継続

1月3日に炊き出し支援に協力して以降、6日に珠洲市内で合計200食を提供後、19日からは能登半島の先端にある日置地区などにて、炊き出しを継続的に実施しています。発災から一ヵ月の間に合計4,000食以上の炊き出しの提供をおこないました。2月6日からは障害福祉サービス事業所として運営を続けてきた「社会福祉法人すず椿」への毎日の昼食もお届けしています。その後も継続して、学校へ避難されている方々への炊き出しのほか、断水のため調理ができない学校給食も提供をしており、「わー、ハンバーグだ!」「おいしそう!」「いただきま〜す!」​と子どもたちの笑顔に私たちも元気をいただいています。

炊き出しには、さまざまなスタッフがいます。調理担当の一人は、東日本大震災発災直後にボランティアとして石巻に入り、多い時には1日2,000食の炊き出しを担当した栄養士です。「2ヶ月以上毎日炊き出しを続けているけれど、メニューはどうやって決めているのか?」と尋ねたところ、こんな答えが返ってきました。

「メニューは、飽きない工夫として和洋中、肉魚など同じようなものが続かないように、かつ栄養面を考えながら決めています。ざっくり1週間分のメニューを決めることもありますが、臨機応変に対応できるように、前日にメニューを決定することが多いです。というのも、たとえば避難所から『こんな食材があるんだけど、調理ができなくて…食事を作っていただけませんか』という経緯で食材をいただくこともあります。また、他の支援団体やフードバンク、全国に備蓄しているものをいただくことも多くあります。さらに賞味期限が迫っているもの、日持ちのしない野菜などを優先的に使わなければいけないなど、いろいろな要素を総合的に検討して決めています」

臨機応変な判断は、知識と経験があってこそできることです。炊き出しではこのような専門スタッフの力で、あたたかいたくさんの食事がご提供できています。

これら炊き出しのご提供は、皆さまからのご寄付により実施できています。

 

自治体との連携

輪島市では、行政職員と一緒に支援の受け入れ調整や避難所のアドバイスなど、自治体と密に連携しながら支援活動を行っています。3月12日には、石川県で立ち上がった「石川県復興生活再建支援チーム被災地生活支援グループ」を担当する職員の方が現地に来られ、打ち合わせをしました。今後のよりよい支援に繋がるよう、現在の避難所や在宅避難者の方々、仮設住宅で生活をスタートされた方などについて、様々な避難生活における現状と課題を共有します。

​県の職員の方からは、「発災後、最速でおにぎりを手配しました。ですが道が悪かったこともあり、被災者の方々に届いたときには賞味期限切れに…とても悔しく、申し訳ない気持ちでした」という後悔の声も聞かれました。​

被災地では過去の災害や対応を比較されたり批判の声をあびることもありますが、被害の状況や物理的な立地条件、地域にある資源など、災害は一つとして同じことはありません。「どうにかして被災地の力に」という想いは一緒です。PBVはこれからも地元自治体、社会福祉協議会、各関係機関や多様な支援団体の方と引き続き連携しながら支援を続けていきます。

 

ラテンアメリカ・カリブ海諸国大使の訪問サポート

3月19日、日本に駐在しているラテンアメリカ・カリブ海諸国の16か国の大使たちが、能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市を訪れ、支援の意思を表明しました。PBVは、東日本大震災の際も各国大使の受け入れを実施したつながりから、今回も各国大使の想いに応え、現地訪問のサポートを行いました。

 ⇒ NHKニュース『中南米の大使たちが輪島市訪問 支援の意思表明』

朝、輪島市役所にて、坂口茂市長に面会。一行の代表を務めるジャマイカのリチャーズ大使が「朝市があった場所を訪れましたが、非常に心が痛みました。復旧や復興は長期におよぶと思いますが、私たちも支援に携わっていきたいです」と述べ、義援金の目録を手渡しました。(記事より抜粋)

▼当日の詳細なレポートはこちらより
 ⇒ ラテンアメリカ・カリブ海諸国の駐日大使ら16名、能登被災地を訪問

 

その他

支援物資配布、資機材の設置および運営業務、それらに関わる団体連携や支援調整をおこなっています。関連団体は毎日のように、被災者状況の共有や、課題、解決方法を話し合いながら活動を進めています。多くの支援団体が関わるからこそ、情報共有会議の運営や、炊き出しの調整などは大切な仕事なのです。

 

※これまでの活動のようすを約30のメディア(新聞・ラジオ・ネットニュース・配信番組など)にて取り上げていただいています。動画・写真・インタビューなどにて紹介されており、アーカイブもご覧いただけます。

 ⇒ メディア掲載情報はこちらよりご覧ください。 

 

今後の支援予定

今後は上記の支援内容の継続に加え、中期的な支援のために、被災者の生活再建に関わる「コミュニティ形成(サロンの実施など)」「備品の提供(仮設備品支援など)」に力を入れていきます。

そのほか状況に応じて、「被災家屋の応急対応・保全」「避難所運営サポート」「災害支援のノウハウ提供や支援調整」「災害ボランティアセンター運営サポート」など、地元の団体や関係機関、支援団体と連携し、現地のニーズに合わせた支援活動を検討していきます。

 

長期的なご支援をお願いいたします

「2024年石川県能登半島地震 緊急支援募金」ご寄付はこちらから

 

 

今後の長期にわたる支援は、継続的に支えてくださる「災害支援サポーター(マンスリーサポーター)」のお力が大きな助けとなります。ぜひ、長期的なサポートにご協力お願いします!

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