【発災から4ヶ月】2024年石川県能登半島地震、継続支援中

2024年1月1日に発生した、石川県能登半島地震から4ヶ月が経ちました。ピースボート災害支援センター(PBV)は発災直後に現地入り。現在は珠洲市と輪島市にて、現地の団体や関係機関、支援団体と連携しながら支援活動をおこなっています。

<発災後の動き>

1月2日 PBVスタッフ数名を現地に派遣
1月3日 炊き出し、物資配布開始
2月2日 災害ボランティアの登録開始

※詳細な活動また先月までの活動のようすは、下記のレポートをご覧ください
 ⇒ 発災から3か月レポート

 

発災から4ヶ月の動き

食事支援(炊き出し)提供が一旦区切り

4月、1月12日から実施していた小学校給食の炊き出し、また2月6日からは実施していた社会福祉法人すず椿への昼食のお届けを終了しました。
 
珠洲市の直小学校にて計48日間、約2800食の炊き出しをおこなってきました。育ち盛りの子どもたちの栄養面も考えた食事をと、調理に携わったスタッフやボランティアが毎日メニューを考え、丁寧に作ってきました。炊き出しを持って行くたびに、子どもたちや先生方との距離も縮まっていくことがとても嬉しかったです。「今日のご飯はなに?」「毎日美味しいご飯ありがとう」「ハンバーグだ!やった!」と声をあげる子どもたちの元気な姿や笑顔を見るたびに、たくさん元気をいただきました。
4月に入り、給食室が復旧して調理ができるようになったことで、PBVの炊き出し提供を終了することに。最終日には、小学校で感謝の会を開いてくださいました。
 
 
校長先生から「温かく美味しい食事だけでなく、相手を思いやる心、優しさ、支え合うことの大切さを教えてもらいました。ありがとうございました」という言葉をいただいたほか、代表児童からの挨拶、全生徒先生からの歌のプレゼント、寄せ書き、花束など、あたたかく心のこもったサプライズプレゼントにPBVメンバー一同はおもわず感動の涙をこぼしてしまいました。
 
 
また、4月12日には珠洲市で障害福祉サービス事業所として運営を続けてきた「社会福祉法人すず椿」への昼食お届けも終了しました。地元のお弁当屋さんにお願いできるようになったそうです。また、珠洲市内はまだ9割近くが水が出ない状況ですが、すず椿では水も出るようになったとのことで、一歩一歩前へ進んでいます。
最終日、お弁当をお届けすると、「ぜひみんなに会っていってほしい!」と施設の中へご招待いただきました。元気に迎えてくださった皆さんから、「いつもおいしいごはんをありがとうございました」と、笑顔と寄せ書きをいただきました。
 
 
これまで炊き出しをお届けしていた方々からはあたたかい感謝をいただきましたが、私たちの方こそ皆様の笑顔から元気をいただき、勇気づけられてきました。本当にありがとうございました。
 

これら炊き出しのご提供は、皆さまからのご寄付や、食材等のご支援、スタッフやボランティアとして関わってきた人々の力により実施できています。心より感謝いたします。

 

物資の寄贈

4月15日、珠洲市の宝立地区鵜飼本町に、支援拠点『本町ステーション』がオープンしました。
地域の憩いの場をつくろうと、珠洲市出身の松田さんを中心に地元の方々が立ち上げました。名称の由来は、慣れ親しんだ地名と合わせて、「みんなが集まるところ」「人が行き来する場所」などの意味があるステーションからつけたそうです。
 
本町ステーションは津波の被害が大きかった宝立地区にあり、裏にはきれいな海が広がっています。数人で建物の中を掃除し、畳や本棚を設置。PBVでは、SEMAを通じてご支援いただいた机と椅子を寄贈いたしました。
 
 
 
松田さんは「これからはお茶を飲みながら、避難所や自宅ではない場所で人々が集い、会話を交わせる交流の場として少しずつ近所の方が集まれば嬉しい」「津波で洋服などもなくなってしまった方に、物資配布をしたり、本を集め、読みたい人は持って帰ってもらえるような仕組みも作りたい」と展望を話されていました。

 

物資の配布(継続中)

珠洲市内の「道の駅すずなり」の一角をお借りして、毎週木・土・日曜日に災害支援拠点を設置しています。お水や災害時用トイレなど支援物資の配布や、支援情報の提供などのほか、住民の方々のお困りごと・相談を伺っています。
 
ここには、二次避難から一時帰宅で金沢から来た方や、初めて支援物資の配布を受け取った方、在宅避難されている方々など、毎回200名ほどの方が来訪されます。
「水が一番ほしい」
「まだトイレが使えないから、凝固剤の非常用トイレはとても助かる」
といった住民の声はまだたくさんあります。
 
敷地内では、他団体さんが炊き出しをおこなっていて、普段は家で作れない食事やボリュームたっぷりのメニューが喜ばれています。
また、訪れた人同士が「洗濯の場所はどこ?」「◯◯小中学校にありますよ」と情報を教え合うなど、“つながりの場”としても機能し始めたようです。
 
 
 

めぐる支援の輪

2021年8月豪雨の際に支援に入らせていただいた、佐賀県大町町下潟公民分館より災害支援金をいただきました。
今まで関わらせてもらった被災地からの支援は、PBVの活動の原動力となり、新たな希望を与えてくださいます。
PBVは今後も、地域や自治体を超えた連携を大切にし、災害支援の輪を広げ、共に力を合わせて前進していけるよう願い支援を続けていきます。ありがとうございました。
 
 
 
 

支援活動のようす~トイレ編~

PBVが拠点としてお借りしている「みさきデイサービスセンター」。
その建物前には、大阪府泉佐野市からのご支援による『仮設トイレ車輌』が停まっており、近隣住民の方々だけでなくボランティアの皆さんや支援団体も使用しています。私たちも清掃当番を決めながら、大切に使用させていただいています。
 
この車輌には3つの個室があり、そのうちひとつはバリアフリーのものです。電動で足場が上下するので、車椅子を利用されている方や階段の上り下りが大変な方もご利用いただけます。
 
(写真:足場を上下させる練習をしているPBVスタッフ)​
 
健康な生活をおくるためには、快適なトイレがとても重要です。

汚くなってしまったトイレや落ち着かないトイレでは、健康面を損なうことがあります。というのも、トイレに行く回数を少なくするために水分や食事を控える方もいて、脱水症状や栄養不足で体調を崩してしまうからです。​

 
被災地での大きな課題のひとつである「トイレ問題」を解決するこの車輌は、本当に心強い存在です。
 
 

今後の支援予定

現在、毎日のようにいくつもの関連団体と、被災者状況の共有や課題、解決方法を話し合いながら活動を進めています。

これまでの活動のようすを約30のメディア(新聞・ラジオ・ネットニュース・配信番組など)で取り上げていただいています。動画・写真・インタビューなどにて紹介されており、アーカイブもご覧いただけます。
 ⇒ メディア掲載情報はこちらよりご覧ください。 

今後は中期的な支援のために、被災者の生活再建に関わる「コミュニティ形成(サロンの実施など)」「備品の提供(仮設備品支援など)」に力を入れていきます。

そのほか状況に応じて、「被災家屋の応急対応・保全」「避難所運営サポート」「災害支援のノウハウ提供や支援調整」「災害ボランティアセンター運営サポート」など、地元の団体や関係機関、支援団体と連携し、現地のニーズに合わせた支援活動を検討していきます。

 

長期的なご支援をお願いいたします

「2024年石川県能登半島地震 緊急支援募金」ご寄付はこちらから

 

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今後の長期にわたる支援は、継続的に支えてくださる「災害支援サポーター(マンスリーサポーター)」のお力が大きな助けとなります。ぜひ、長期的なサポートにご協力お願いします!

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