国や地域を越えて災害の教訓を共有し、その学びを活かす災害に強い人や社会づくりを進めています。そして、ひとたび災害が起こった時には市民同士が助け合える環境づくりを行っています。
国連防災世界会議
2005年に神戸で行われた第2回会議では、「兵庫行動枠組(HFA)」が採択され、10年間に渡って各国の防災・減災の指針となってきました。2015年3月に「第3回国連防災世界会議」が仙台で開催され、2030年までの国際的な防災・減災の枠組みである「仙台防災枠組2015-2030」が採択されました。第3回会議では、東北各地で活動するボランティアや市民社会の経験を共有するため、2015防災世界会議日本CSOネットワーク(JCC2015現在:JCC-DRR)が設立され、PBVは共同事務局を担いました。市民参加型の世界会議になるよう働けながら、東北の声や市民社会の経験を伝える様々な企画を実施しました。
第3回 国連防災世界会議レポート
災害に強い都市「レジリエント・シティ」キャンペーン
2014年、国際NGOピースボートは、国連防災機関(以下、UNDRR)が進める災害に強い都市づくりに向けた世界防災キャンペーン「Making Cities Resilient: My City is Getting Ready」の公式パートナーになりました。災害の被害を最小限に抑えるために、各国の地方自治体における防災・減災対策の促進を呼びかけています。ピースボートは、年間3回の地球一周の船旅を通して、メッセンジャーとなって訪れる都市にキャンペーン紹介し、船をトレーニングや議論を実施する「場」として活用しています。また、各国から集ったユースリーダーの人材育成や国境と越えたネットワーク作りも実践しています。
気候変動の影響もあり、世界各地で発生する災害は増加傾向にあります。災害に対応するためには、平時から自分や家族、所属組織、地域社会で準備していくことで、はじめて「レジリエンス(回復力・立ち直る力)」を高めることができます。
PBVでは、これまで災害支援現場で培った経験をもとに、それぞれのニーズに合わせた研修や講演を日本語または英語で提供しています。
詳しくは、特設サイトをお読みください。
これまでの活動
バルパライソ[チリ] (2016年2月)
2010年チリ地震の教訓の伝承とUNDRRが実施するレジリエント・シティ・キャンペーンのプロモーションイベントを行いました。このイベントは、チリのコーディネーターや自治体、UNDRRの協力を得て実施されました。
ブエノスアイレス[アルゼンチン] (2016年2月)
都市のレジリエンスと若者の役割の重要性をテーマに、若者や民間防衛の代表者、国際NGO、レジリエント・シティ・キャンペーンのプロモーターなどが集い、経験の共有を行いました。
モンテビデオ[ウルグアイ] (2016年2月)
ウルグアイの緊急対応機関や省庁関係者、各NGO、UNISDがピースボートの船内で交流を図り、「レジリエンスのための協定—市民社会と行政との協働」に関して共同記者会見を開催した。
タルカワノ[チリ] (2015年11月)
タルカワノ市の主催する講習にPBVからトレーナーを派遣し、「災害支援の為のボランティアトレーニング」をテーマに教育プログラムを行いました。参加者は警察や消防、赤十字、一般のボランティアなど約100名が参加しました。
アジアレジリエント・ユースプログラム (2015年8月)
UNDRR職員とともに、タイ、インドネシア、シンガポールの若者が船に乗船し、国際的な防災の指針「仙台防災枠組」をどのように政策や法律に反映させるかなど具体的な議論が行われました。寄港したセブ島では、セブ州の副州知事らを表敬訪問した後、台風30号で被災した地域を視察しました。
ホノルル・ハワイイ[米国] (2015年7月)
非営利団体や政府機関、地域団体、研究者、企業など各セクターから40人以上が参加し、ピースボートの船上で会議が開催されました。各セクターの情報交換と災害対応のための関係を構築が行われました。同時に、レジリエント・シティ・キャンペーンの紹介もされ、数ヶ月後、ホノルル市はキャンペーン参加の署名しました。
プエルトケッツアル[グアテマラ] (2015年6月)
プエルトケッツアルで、災害対応のためのコミュニティ実践家の第一回総会が実施しました。グアテマラとエルサルバドルから、防災や災害対応を実践している代表者が30人以上集まりました。これまでの経験や教訓、ベストプラクティスの共有が行われました。
南米プロモーター会議 (2015年1月)
UNDRRが推進するレジリエント・シティ・キャンペーンの南米地域のプロモーターが、ピースボートの船上に集まり、防災・減災に取り組む地域間協力の強化が行われました。プロモーターたちは、ホンジュラス、コロンビア、ウルグアイ、コスタリカ、ニカラグア、ブラジル、チリから参加し、過去20年に発生した災害に関して、活発な議論を交わしました。
アフリカレジリエント・ユースプログラム (2014年12月)
UNDRRアフリカ事務所によって選ばれた次代を担う若きリーダーたちがマダガスカル、モザンビーク、南アフリカから6名、さらに国連関係者がケニアから2名乗船しました。「レジリエント・シティ」キャンペーンの促進だけでなく、災害リスク軽減や災害に強いコミュニティを構築するための取り組みやこれまでの経験をお互いに共有しました。
ベレン[ブラジル] (2014年8月)
ブラジルの行政機関と防災の専門家が乗船し、UNDRR職員と共にシンポジュームと記者会を開きました。地域ごとにどのように災害に対するレジリエンスを高めるのかを議論しました。
中南米レジリエント・ユースプログラム (2014年8月)
コスタリカ、ニカラグア、パナマ、そしてエルサルバドルから2名ずつ、災害関連の分野に携わる8名のユースを船に迎え、それぞれの国や地域の経験した津波、地震、洪水などの災害から学んだ教訓を元に、トレーニングやディスカッションを行いました。