10月12日に2020年7月豪雨のPBV中間報告会をオンラインで実施しました。短い告知期間だったにも関わらず、全国各地から97名の方々が参加してくださいました。報告会の内容としては、PBVのコロナ禍での災害支援の在り方やガイドラインの作成についての説明と、熊本県球磨村に実際に支援に入っているスタッフから現地の被害状況と避難所の現状をお伝えしました。ご参加してくだった皆さま、本当にありがとうございます。
PBVでは新型コロナウイルスが発生した当初から、コロナ禍での災害支援の対応について検討してきました。そんな中で、今まで連携を取ってきた団体と協力し、「新型コロナウイルスの感染が懸念される状況におけるボランティア・NPO等の災害対応ガイドライン」(JVOAD)や「新型コロナウイルス避難所生活お役立ちサポートブック(JVOAD)」の作成に関わりました。また、これらの資料を使い、実際に支援に入ったときに何が必要なのかをシミュレーションし、現場支援の備えをしてきました。
支援に入っている熊本県球磨村は、県内でも南部のほうに位置し、自然豊かな地域です。村の真ん中に流れる球磨川とともに生活を送ってきました。2020年7月豪雨で球磨川が氾濫し、川沿い付近の家を含む500棟以上が床下浸水、もしくは家屋流出し、村の10か所以上の橋が流され、地域によっては交通が遮断されたままの状態が続いています。電車も復旧の目途が立っておらず、再建には数十年単位での時間が必要になりそうです。そのため、現在球磨村内は通行許可証のある自動車でないと入ることができません。
人口3400人の球磨村では約1700人が避難生活を送っており、そのうちの約1400人が村外避難を余儀なくされています。球磨村には指定避難所は存在していたのですが、大洪水により9か所以上の避難所が浸水し、使用できない状況になりました。
球磨村では25人が亡くなったこの水害は、戦後最大の大洪水となってしまいました。現在、発災から3ヶ月以上が経過していますが、未だに避難所での生活を送っている住民さんは少なくありません。また、自身の家は無事だったとしても、住んでいる区域が長期避難区域に指定されているために、家に戻ることもできない住民さんもいます。PBVでは、被災された住民さんが1日でも早く平穏な暮らしを送れるように、旧多良木高校避難所で避難所支援に入っています。避難所での共同生活は大変な部分も多いですが、ここで生活している間はここを安心できる場所だと思ってもらえるように、環境改善などに取り組んでいます。
◆避難所支援に関する記事はこちら
・【2020年7月豪雨 熊本支援】 避難所生活を少しでも快適にパート2
・【2020年7月豪雨 熊本支援】 避難所生活を少しでも快適にパート3
・【2020年7月豪雨 熊本支援】 避難所生活を少しでも快適にパート4
この中間報告会に向けて、被災から現在までの球磨村の様子や、避難所での様子を短い動画にまとめました。ぜひご覧ください。
◆2020年7月豪雨から3か月 熊本県球磨村 PBV×ソー写ルグッド
撮影協力:ソー写ルグッド株式会社
最近は避難所から仮設住宅へ入居する住民さんも増え、避難生活のフェーズが変わりつつあります。仮設住宅はプライベートな空間を確保できる反面、避難所で作り上げてきたコミュニティがなくなってしまいます。人と接する機会が減ったり、新たにコミュニティを形成したりと、住民さんには負担になる部分も多くあります。避難所を退所してもまた、新たな生活が続いていきます。住民さんがそれぞれの地域で同じように笑顔で暮らせるよう、今後もみなさまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。