2026年6月24日の大雨により、鹿児島県薩摩川内市では、100ミリを超える時間雨量が観測され、市内複数の場所で用水路などが氾濫。永利町では一時24人が住宅に取り残され、救助が行われました。市内各地では、住宅の浸水被害が起きており、100棟を超える家屋被害が発生しました。
鹿児島県社会福祉協議会からの依頼をうけ、ピースボート災害支援センター(PBV)は、家屋保全の専門チームを派遣し、被災者支援を実施。現地団体と連携しながら情報収集し、被害状況や支援体制を確認しながら、現地のニーズに合わせて支援活動をおこないました。
6月30日より、PBVスタッフ2名は薩摩川内市災害ボランティアセンターを訪問し、現場調査に同行して被災地域の床下状況を確認しました。
薩摩川内市で公表された住家被害は、床上浸水26棟、床下浸水114棟。
私たちの活動は、この状況を確認するところから始まりました。
数字だけでは見えない実態がないか、薩摩川内市社会福祉協議会の皆さんとともに被災エリアを歩き、一軒一軒、実際の浸水状況や床下の状態を確認していきました。床下浸水の件数が多かったこともあり、目に見えない床下の状況を丁寧に確認することが、初動の大切な役割でした。

調査の結果、多くの家屋では床下に水や泥が大量に残っている状況は確認されず、床下の乾燥を中心とした対応を進めました。
ちょうどその頃、薩摩川内市に企業から100台の送風機が貸与されることとなりました。
私たちは薩摩川内市社会福祉協議会の皆さんに送風機の設置方法や使用時の留意点を共有。社協の皆さんが各世帯への設置を行い、私たちは設置後の確認や調整を担当しました。


訪問当初は寡黙だった方も、「どこへ相談すればいいのかわからなかった」と胸の内を話してくださり、社協スタッフとの会話を重ねるうちに、少しずつ表情が和らいでいく場面を何度も目にしました。
災害ボランティアセンターには、浸水被害に関する相談が寄せられており、薩摩川内市社会福祉協議会の職員の皆さんが、住民の方々への対応にあたっています。
一方で、浸水した水が引いた後は、一見しただけでは家屋の被害が分かりにくくなります。
そのため、被災された方ご自身も、
「床上浸水ではないから大丈夫」
「相談するほどの被害ではないかもしれない」
と受け止め、支援につながりにくくなることがあります。
しかし実際には、床下や壁の内部まで水が入り込み、断熱材の劣化やカビ、木材の腐朽など、時間の経過とともに住環境へ影響が現れる場合があります。
また、被災から時間が経つほど、
「今さら相談してもよいのだろうか」
という気持ちが強くなり、さらに声を上げにくくなることもあります。
こうした見えにくい被害や住民の方々の心理を踏まえ、今回は社会福祉協議会の職員の皆さんに、これまで私たちが各地の被災地で直面してきた事例や、住民の方への声かけ、困りごとを丁寧に引き出すための対応について共有いたしました。


薩摩川内市で活動する中で、多くの方から被災当日の様子を伺いました。
「道路に水が溜まり始めたと思ったら、ものの数分で腰の高さまで水が来て、身動きが取れなくなった」
「玄関から水が流れ込み、このまま床を越えてしまうのではないかと、本当に不安だった」
「車だけでも守ろうと高台へ移動させ、振り返ると、見慣れた景色が一面泥水になっていた」
「あの日以来、雨が降るたびに子どもが怖がるようになってしまった」
お話を伺っていると、「あの時は本当に怖かった」「被災直後は目の前の片付けや生活を立て直すことに精一杯で、当日の出来事を振り返る余裕がなかった」というお話も多く伺いました。時間が経ち、誰かに話すことで、ご自身の体験を少しずつ整理されているように感じる場面もあります。

だからこそ、住民の方々の気持ちに寄り添いながら、一人でも多くの方が必要な支援につながれるよう、社会福祉協議会や地域の皆さんと連携し、活動を続けています。そして、被災された方にとって、身近な地域の方からの「大丈夫ですか」「困っていることはありませんか」という何気ない声かけや見守りは、支援につながるきっかけであると同時に、大きな心の支えにもなるのです。
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- 災害支援活動は、被災地の状況やニーズにそって、活動内容を決定しています。活動に必要な費用をご寄付が上回った場合には、次の支援活動に活用させていただきます。あらかじめご了承ください。
- ピースボート災害支援センターの寄付金に関する取扱規程は下記をご参照ください。
公益社団法人ピースボート災害支援センター寄付金等取扱規程[PDF]
