2023年5月5日に発生した石川県能登地方地震から、2ヶ月以上が過ぎました。
震源地は石川県能登地方、震源の深さは12km、マグニチュードは6.5と推定されています。震度6強の激しい揺れの影響で、石川県珠洲市を中心に特に屋根への被害が報告されました。珠洲市の住宅被害は、全壊38棟、半壊263棟、一部損壊1,355棟にのぼりました。
【初動】多数の屋根被害。専門スタッフの派遣を決定
発災翌日の5月6日より、先遣スタッフ2名を現地に派遣。調査の結果、屋根被害の雨漏り防止対応や災害ボランティアセンターへの運営サポートなどの支援を決定しました。
当時、地震による瓦屋根のズレや落下、窓ガラスの破損によって家屋被害が多く発生していました。地元瓦屋への修理依頼が急増し、復旧までに数ヶ月以上かかる事が見込まれていました。
被害の拡大を防ぐため、PBVは行政や社会福祉協議会、支援団体の皆さんと協議を重ね、設置された災害ボランティアセンターの運営サポートのほか、屋根への防水シート張りができる専門スタッフの派遣を決めました。
また、同6日よりWEBサイトやYahoo!ネット募⾦にて緊急⽀援募⾦を開始しました。
「2023年石川県能登地方地震 緊急支援募金」
9日時点で珠洲市で把握されている被災件数は350件。珠洲市社会福祉協議会の呼びかけにより、雨漏り防止を目的としたブルーシート張り支援の開始にあたって、活動にあたるメンバーの顔合わせとともに、支援の方針などを話し合う場が設けられました。
＜参加団体＞
石川県社会福祉協議会、石川県民ボランティアセンター、ほくりくみらい基金、OPEN JAPAN、レスキューアシスト、チームふじさん、支援P、JVOAD、PBV（ピースボート災害支援センター）
多くの団体と連携しながら屋根の高所作業などを実施
5月9日よりスタッフを2名増員し、屋根の応急対応を開始しました。PBVは災害緊急支援ネットワークOPEN JAPANとチームを組み、安全対策をしっかりと行なったうえで高所作業を行っています。
11日からは、珠洲市災害ボランティアセンターにてボランティア活動の受付を開始。PBVでは、災害ボランティアセンターの【技術系ニーズ窓口対応】と【屋根の応急対応（防水シート張り等）】を実施しています。
住民の方々からは「地震のあとから雨漏りするようになって、家の中に10個くらいバケツが並んでいる」「地震で瓦が落ちてきたけど、屋根がどうなっているか自分では確認できない。瓦屋さんにお願いしているが、他のお宅の対応も多く忙しいようで順番を待っている」「瓦が落ちてしまったから、雨が降った時が心配で」などの声があり、不安を抱えている様子が伺えます。
私たちは、被災された方々の気持ちに寄り添いながら、ご要望の受付、ご自宅訪問、屋根の応急対応と生活再建に向けたお手伝いを心を込めてさせていただきます。
支援にあたっては連携団体との情報共有や協力が重要です。
珠洲市災害ボランティアセンターに集まった技術系NPO団体は、週2回、社会福祉協議会の方々を交えて情報共有会議を実施しています。各団体の活動報告、共有事項、安全管理、余震の対応、ケガ・事故対応マニュアルの作成、各団体のブルーシートの展張方法の共有、施工方法の目線合わせなどを行い、どのような支援がこの地域に適しているかを共有。また、活動中も連携団体間で連絡を取り合い、暑さや強風の注意喚起、活動人員協力の呼びかけなど、安全かつスムーズに活動が行えるよう連携をとっています。
みなさまのご支援に感謝いたします
緊急支援募金のご協力や、企業様からの物資提供など、様々な形で現地にあたたかい支援が届いています。
6月9日には、ラッシュジャパン（LUSH）様に、珠洲市被災地域の視察と寄付商品の配布のためお越しいただきました。PBVは若い世代の方々へとお繋ぎできたらと、被災地域の保育園を訪問し、子どもたちを通して寄付商品（ボディソープや石鹸など）をご家庭にお届けしました。受け取った子どもたちは「おいしいにおいがする！」「ママといっしょにおふろにはいってつかう！」と大喜び。片付けでの疲れや今後の不安が積み重なっているであろう時期に嬉しいお届け物でした。
そのほか、日々続く災害ボランティアセンター運営や屋根の応急対応など、暑さが増すなかでの活動にあたり、地元の方々からカレーやそうめんの炊き出しなどあたたかいお心遣いをいただいています。
これらは日本財団や真如苑からのご支援や全国の皆さまからのご支援により、活動を続けられています。ご支援いただいた皆さまへ、地元の方々から「ありがとう」の気持ちを受け取っています。ご支援くださった方々、ありがとうございます。引き続き、ご支援ご協力お願いします。
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復旧・復興までには長い道のりがかかります。
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