【前編】「報道されない災害にも息の長い支援を」フィリピン台風22号緊急支援

台風22号の上陸から3ヶ月

 

2021年12月中旬にフィリピンに台風22号(国際名Rai/現地名Odette)が上陸。各地に甚大な被害をもたらしてから3か月が過ぎました。ピースボート災害支援センター(PBV)では、発災後すぐに緊急支援募金を立ち上げ、現地の3つのパートナーNGOを通じて、被災地支援活動を行っています。

 

現地パートナー「BMFI」紹介

 

現地パートナー団体のひとつ、BMFI<Balay Mindanaw Foundation Inc>の活動を紹介します。BMFIは、台風被害が発生した直後から、フィリピン東部のディナガット島での緊急支援活を実施しています。BMFIの団体紹介はこちら

小さな島々が多いフィリピンでは、台風などの自然災害が発生すると、小さな島へのアクセスが寸断されてしまいます。そのため支援が届きにくく、インフラの回復にも時間を要するという課題があります。ミンダナオ地域を拠点に活動するBMFIでは、2月下旬から3月上旬にかけて、主に3つの活動を実施しました。

 

1、「家屋修繕キットの支援」

ディナガット島の「Laguna」と「Sta. Rita Cagdianao」というふたつの集落に合計100セットの家屋修繕キットを届けました。

どちらの集落も海岸のすぐそばに位置することから、以前より危険度の高い地域として政府から移転を進められていました。しかし住民の多くが漁業によって生活が支えられていることもあり、移転作業に時間がかかっていいた現実がありました。

集落の人びとは被災後、壊れた家の建材や手に入る資材をかき集め、それぞれの家をなんとか修理して生活していました。トタン波板や数種類の釘、針金などで構成された修繕キットが、それぞれの集落に50セットずつ届けられ、現地の人びとの力になりました。

 

2、「心理社会的サポート」

島内での心理社会的サポートを行うため、保健師や教員、地元自治体の職員などに向けた、子どもの保護に関するワークショップを実施し34名が参加。今後は彼らが核となって、子どもたちや住民の心理社会的サポートの活動を広げていきます。

 

3、「浄水器支援」

12月と1月に届けた浄水機の稼働確認も実施しました。いずれも現在も使える状態が維持されていて、地域の人びとの飲料水の確保にとても役立っていることが確認されました。

 

今後の活動予定

BMFIでは、今後も定期的にディナガット島にチームを派遣し、支援活動を継続していきます。PBVが皆さまからお預かりしたご寄付は、BMFIを通じて地域の人々の生活再建に役立てられています。日本ではなかなか報道されませんが、災害で奪われた日常を取り戻すには長い時間がかかります。引き続き皆さまの息の長いご支援、どうぞよろしくお願いいたします。

 

【後編へ続く】

 

「2021年フィリピン台風被害 緊急支援募金」
ご支援のほど、よろしくお願いいたします。