報道では毎年災害が起こるたびに、災害ボランティアとして活動する方たちの様子が伝えられるようになりました。年々、被災地や被災者のために行動する方たちが増えています。
一方で、実際に被災地のボランティア活動に参加するのはハードルが高いと感じていらっしゃる方が多いのも事実です。ピースボート災害ボランティアセンター(PBV)では、被災地でのボランティア活動を実際に知ってもらおうと、災害ボランティアのトレーニングプログラムを全国で実施しています。
参加した方たちに、なぜ受講しようと思ったのか聞いてみました。
【1】 「災害ボランティア活動を知りたくて」 (20代女性・大学生)
「何か役に立ちたい!」と思いつつも、具体的な知識が無くて不安に思っている方は多いようです。災害ボランティアに参加しても、「足手まといになってしまうかもしれない」、「迷惑になってしまうかもしれない」と思われている方もいらっしゃいます。
確かに、多くの人にとって災害は非日常的な環境なので、イメージできないことも多くあります。ニュースでは、家や店の泥だしの映像がよく報道されるので、力仕事は無理だと諦めてしまうこともあるようです。災害支援は、緊急期から復興期まで時期によって必要なボランティア活動が異なります。どの時期にどんな活動があって、何に注意しれば良いのかを知るだけでも、関わるきっかけがあるかもしれません。災害ボランティアを受け入れる組織も様々です。ボランティア活動に行きたいと思った時のために、「情報を集めて→ボランティア活動に参加して→自宅に帰るまで」の一連の流れを具体的に知ることで、参加のハードルはグッと下がるでしょう。
【2】 「実際に災害が起きた時にどう動くのか、どう備えるのかという具体的な知識がなかったので、学びたいと思った」 (30代女性・社会人)
災害ボランティアへの参加というよりも、自分自身が災害時にどう動けるのかを考えたい方もいらっしゃいますね。災害ボランティアの活動を知ることは、被災者がどんなことで困るのか?を知ることでもあります。日本全国どこでも災害に遭う可能性があるので、被災者の困りごとを知ることは、自分自身が被災した時に、具体的に対応を考えることにも繋がります。
【3】 「助けたい人を助ける力をつけたかった」 (30代男性・社会人)
津波や土砂で家が流される様子や避難所に大勢の人達が避難している様子は、「自分は何ができるだろうか?」と不安をかきたてるものでもあります。最近では、首都直下地震や南海トラフ地震などの巨大災害を予測する情報も多く発信されているので、特に不安に思う方も多くいらしゃるかもしれません。もし、「助ける人」としてできる事が一つでも二つでもイメージできれば、心の余裕も生まれるかもしれません。家族や友人が被災した時に、手を差し伸べられる存在でありたいと多くの方たちが感じています。災害ボランティアの活動を知ることは、災害時でもできる事の引き出しを増やすことでもあります。
【4】 「つながりを作りたかった」 (20代男性・学生)
より実際的な課題を持って災害ボランティアトレーニングに参加される方もいらっしゃいます。支援現場でボランティアをまとめるリーダーの必要性を感じている方や、自主防災組織でボランティア講座を受け持っている方、会社でCSRの担当をしている方など、それぞれの立場で学びたいことがあるようです。また、すでに防災や災害支援に携わっている方で、自分の団体の活動の幅を広げたいという思いがあったり、同じテーマに取り組んでいる人達とのつながりを作りたいと参加される方もいるようです。PBVの災害ボランティアトレーニングには、初級の入門編や中級のリーダー編などがあり、関心に合わせてステップアップすることができます。
【5】 「支援するときの情報がほしい」 (20代女性・社会人)
実際に災害ボランティアで活動するとなっても、一人で被災地に行くのはためらいがあるという声も聞きます。活動するなら、知り合いがいたり、知っている団体の方が参加しやすいですよね。PBVでは、実際に支援活動を展開する際には、受講された方たちにもボランティア募集の情報提供をしています。
◆多様なヒトの力を活かす「災害ボランティアリーダートレーニング」
・6月02日(土)‐03日(日) @東京
・6月16日(土)‐17日(日) @大阪
・7月07日(土)‐08日(日) @福岡
・6月23日(土) @東京