オランダでの国際防災ネットワークGNDRに参加しました。 

3月20・21日、オランダのハーグで行われた国際会議GNDR(Global Network of Civil Society Organisations for Disaster Reduction/地球市民社会の防災ネットワーク)に、代表理事の山本隆が出席しました。

国連ISDR(International Strategy for Disaster Reduction)特別代表らも含め約130人が参加した。

 

会議に参加した目的は、東日本大震災の現場で経験した教訓を国際社会でも共有するため。日本からはCWS-Asia/Pacific&JAPAN、JANIC、PBVの3団体4名が出席しましたが、PBVとしては「災害に強いコミュニティと災害ボランティアの関係性」についてアピールする機会になりました。

というのも、国内ではまだまだ課題が多いと言われていても、世界的では国連や行政による指示系統がなくとも、NGO/NPOや社会福祉協議会らが協力しながらボラティアが被災者支援の重要な役割を担っていること自体が驚きです。日本は、「世界の良い技術を真似するのが得意」と言われたりしますが、この災害ボランティアの分野に関しては、毎年のように見舞われる災害の現場で試行錯誤を続けてきた結果、独自のモデルを築いてきたと言えるのかもしれません。

2005年、阪神淡路大震災から10年が経った神戸で行われた国連防災世界会議で「兵庫行動枠組」(※1)が採択されたり、そのほか人道支援のHAP・スフィアスタンダードといった国際基準もありますが、残念ながらボランティアの立ち位置や具体的なノウハウについてはほとんど触れた部分がありません。

これだけ多くの犠牲を払って、これだけ多くのボランティアが汗を流して学んだ教訓なのであれば、日本だけでなく、世界の防災・減災につなげていくべきでしょう。それが、世界各国から東北へいただいた支援への一つの恩返しだとも思っています。

 

今回のGNDR会議では、PBVから「災害へのレジリエンス(※2)が強いコミュニティをつくるために」という以下の声明を発表しました。(クリックで大きくなります)

 

(※1)兵庫行動枠組

2005年に開かれた「第2回国連防災世界会議」で採択された唯一の国際的な防災・減災の枠組で、例えば①災害リスクは、気候変動などの地球環境の変化や貧困・乱開発などの社会的な要因と絡んでいる、②災害の被害軽減にはそれぞれの国に第一義的な責任があるが、災害自体が地球規模で発生する以上、国境を越えた協力体制が必要である、③被災後の復旧・復興にかかるコストや労力を考えた場合、ソフト・ハード面での事前対策の強化が有効である、など国や自治体、企業、NGO/NPOを問わず目指すべき方向性が書かれています(全文は コチラ)。また、2015年には国連防災世界会議の日本開催が予定されており、2015年までを対象期間としていた「兵庫行動枠組」の次の目標設定などが話し合われる予定。

 

(※2)レジリエンス

「回復力」と訳される。災害においては、その影響を回避したり最小化する能力のこと。物理的な防災・減災力だけではなく、想定外の災害が起こり得ることを前提に、平時から災害への備えに対する積極的な姿勢を持つことも含む。