「ハリケーン・サンディ」 NY現場レポート

「ハリケーン・サンディ」の被災者支援のため、渡米しているスタッフの小林深吾から届いたニューヨークからの現地状況を報告します。

 

ピースボートのニューヨーク事務所(PB-US)のエミリーと合流した小林とサイモン・ロジャース(セーフティーオフィサー)は、NY市内でも被害の大き かった南部のロッカウェイ地区や、西南部スタテン・アイランドなどを視察し、コミュニティ・ミーティングや支援活動に参加しています。

住宅被害は家屋内に土砂が入り込んだり、家財道具が壊れたりといった水害によるものが目につきますが、漏電による火災なども発生しており、いまだ通電していないなど、復旧のスピードは地区によって差があります。

教会やアメリカ国内のNGOが中心となって、食料や寝袋の配布なども行っていますが、避難所だけでなく在宅避難者も多く、また車も流されてしまった家庭もあるため、それぞれの地区へ配達を行うデリバリーの活動も必要とされています。

 

地区によっては、ボランティアによる泥出しなども行われています。泥や乾いた埃を吸い込んだりといった衛生・健康面への懸念もあり、家屋の泥出しや清掃・ 改修作業を進めていくことが大切ですが、経済的な事情を抱える家庭も多く、ここでも復旧のスピードに差が生まれています。

 

小林らは、石巻市や和歌山での台風被害の支援活動にもご協力いただいたアメリカの団体AmeriCaresの紹介で、2011年の「9.11」以降、災害 ボランティアとコミュニティづくりに取り組む地元の団体「WCC(World Cares Center)」とともに物資配布や在宅避難者のニーズ調査といった活動を始めています。


AmeriCaresのスタッフらと活動する小林(中央)とサイモン(右)


物資配布とともに、各家庭のニーズの聞き取りを行う。


NY現地パートナーのひとつ、WCCのLisaさん。

 

また、東日本大震災での経験などを活かし、NYのコミュニティづくりのためのドキュメンタリー製作を行う「DCTV」では、若者たちに向けた災害ボランティアの研修セミナーなども実施しました。

 

被災された方と接する中では、大切なものを失った精神的なショックを隠せず、昨年津波被害を受けた日本からボランティアに来たことを伝えると、とめどなく体験を話し続けることもあるようです。ここにも、金銭的・物的支援だけではなく、人的支援が必要とされる理由があるんだろうと思っています。

 

PBVでは、WCCとも協力しながら、ボランティアの渡米を含めた更なる支援の具体策を検討しています。また、東京や石巻では街頭募金を行うなど、引き続き支援金を募集しています。ぜひ、ご協力ください。
●募金のご協力は コチラ


石巻市役所前での街頭募金の様子

 

 

※また、小林は今週一度帰国し、25日に東京で実施する「災害ボランティア・ケーススタディー」のワークショップでは、ファシリテーターを務めるとともに、NYでの活動についても一部活動を紹介する予定です。ご都合のつく方は、ぜひこちらにもご参加ください。
●「災害ボランティア・ケーススタディー」の詳細・応募は コチラ