東北各地は、厳しい冬を迎えています。
仮設住宅に入居された方々も、早い人でもう1年半が過ぎました。
自力で家やアパートを整えたり、知り合いを頼ったりと、新しい暮らしを始めた方もいます。けれど、まだまだ多くの方がこの「仮」の住まい、「仮」の団地で、生活を続けているのも事実です。
そんな中、楽しく仮設住宅に暮らす住民の方がと交流し、顔の見える関係をつくり、「文通」や「メール」のやりとり、またしばらくして石巻を訪ねたりと、ボランティアと住民の皆さんが長くつながるきっかけづくりを目的に、今月から「石巻・文通ボランティア」が始まりました。
※同行した記者ボランティア・高橋さんのレポートは コチラ
「仮設きずな新聞」の発行・配布、花壇とベンチの設置、畑(家庭菜園)づくり、お茶っこや各種イベントの実施など、一昨年から行ってきた仮設住宅入居者支援を支えてきたのは、長期滞在のボランティア・リーダーの存在。彼らが中心となり、入れ替わりで参加する短期のボランティアとともに、90を越える仮設団地との関係を築いてきました。
もちろんボランティア一人ひとりにも生活があり、仮設住宅での支援に関わりたいと思っていても、長期で休みが取れなかったり、住む場所が違ったり物理的な課題もあります。それを解決するため、この2,3月限定で、週末を使って東京からボランティアバスで往復できる「文通ボランティア」プロジェクトが決まりました。
石巻に着いたボランティアは、オリエンテーションを受けた後、ペアになって仮設住宅を回ります。その手には「仮設きずな新聞」、会話のタネにもなります。このプロジェクトの目的はたくさん新聞を配布することではないので、住民の方と仲良くなって話し込んでしまっても構いません。
参加したメンバーからも「直接話を聞くことで、仮設住宅の暮らしの大変さを知った」、「もっとここにいて色んな話を聞きたかったし、喋りたかった」、「普段の生活では体験できない人と人の近さを感じた」などの前向きな感想が寄せられました。目の前の瓦礫を必死に片付けたり、大量の炊き出しや物資をスピーディーに提供することを優先にしていた緊急期には、なかなかこういった出会いの場をつくることはできませんでした。
「石巻・文通ボランティア」は、ひとまず寒い冬を抜ける3月まで。ありがたいことに、すでに毎週、定員を越える応募をいただいています。短い石巻での滞在時間を充実したものにできるよう、そしてひとつでも多くの“細く長いつながり”が生まれるよう、頑張っていきたいと思います。