PBV緊急支援オンライン報告会を実施しました

8月31日にPBV緊急支援オンライン報告会「2021年7月熱海市土砂災害 & 8月佐賀県大町町大雨災害」を開催いたしました。急遽の開催だったにもかかわらず、90名以上の方にご参加いただきました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。現地責任者の辛嶋から、PBVが主に行っている活動や被災地の現状についての報告がありました。

◆2021年7月 熱海市土砂災害
PBVでは全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)の要請を受け、JVOAD避難生活改善に関する専門委員会の一員としてPBVスタッフを熱海市に派遣しました。主には、避難所支援の調整と移行期の課題整理における支援サポートを中心に熱海市行政、社協、地元NPO、県、外部支援者等と連携し活動を実施しました。現在も行方不明者1名の方の捜索が続いています。

 

 

伊豆山地区で大規模な土砂災害が発生し、岸谷、浜、仲道の3地域で被害が出ました。ほとんどの住民さんがホテルでの避難生活を送ることになりました。熱海市の観光業を活かしたホテル避難は、各世帯ごとに個室空間を設けることができるのでコロナ対策にも繋がっています。また、通常一般的な指定避難所での生活の場合、共同生活での疲れや生活環境がなかなか整備されないこと、炭水化物の多いお弁当や配給食のため食事量や食欲減による健康被害などが症状として見受けられやすいのですが、今回はホテルからの食事提供だったため、温食や食事の選択ができることから、食へのストレスは少なかったことが特徴としてあげられます。一方、ホテルの個室では状況把握ができないため避難者の体調管理や心身の不調に、周囲が気づきにくい場合もあります。

 

 

 

今後の課題は、避難所からの新しい住まいへの移転です。熱海市は土地が少ないため、仮設住宅などの建設ができませんでした。そのため、民間賃貸借上住宅(みなし仮設)や公営住宅の活用による入居手続きが進んでいますが、みなし仮設の場合は該当条件に見合う物件が少ないことや公営住宅の場合、エレベーターがなかったりペット同伴世帯は入居ができなかったりなど、熱海市に住み続けたい住民さんにとっては大きな壁となっています。熱海市内で物件が見つからず、隣接市への引越しも余儀なくされ、離散されてしまうことも問題のひとつです。

さらに、熱海市や熱海市社協では、局部災害のため市民の多くが通常利用となるため、平常業務も並行して行っています。限られた人員の中で職員さんも疲弊し、なかなか被災者の実態把握や被災者台帳などで情報を一元化していくことが困難な状況が続き課題となっていました。
そこでPBVでは、熱海市と熱海市社協が協働実施で行う意向調査の伴走支援を行いました。平時から訓練等を強化してきた静岡県には様々なネットワークの繋がりがあり、多様な方々の協力により1世帯1時間くらいかけて丁寧に避難生活やこれからの不安ごとなど「今後の生活再建に向けた困りごとのお伺い」を行いました。集まった情報をリスト化、地図への落とし込みなどを行い課題や個別ケースの対応検討を図り、関係各所と連携しながら支援に繋げていきました。

◆2021年8月大雨災害 佐賀県大町町支援
現在、支援に入っている大町町は2019年九州北部豪雨の際も被災に遭われました。被災された住民の方ほとんどが2度目の被災で、
「やっと家を再建して半年前に戻ってきたばかりなのに…」
「まさか、たった2年のうちに二度も被災するなんて、いくらなんでも思わなかったよ…」
など、心身共に疲れきってしまっています。
また、2年前には地域のために頑張っていた自治会長さんたちも自宅も被災に遭われ、地域の公民館も被災し気力も失われ「誰かに助けてもらわないと前に進めない」と疲労だけでなく心の負担も大きく苦しい状況が続いています。

 

 

 

大町町の被害状況は、床上浸水が228戸、床下浸水が67戸(2021年8月31日時点)と被害棟数は前回より増えていて被害エリアも広いです。一方で2年前の教訓もしっかりと活かされていて、死者・行方不明者は0名でした。車両を失われた方も前回よりも少なく早めの避難をされていました。また、コロナ禍という傾向もあり、避難所に避難している人は18世帯30人とかなり少なくなっています。被害の受けた住宅で在宅避難を選択されている方が多くいらっしゃいます。生活環境やニーズが分かりづらい状況もありますので、状況把握が今後の課題の一つです。

また、2年前に被害を受けたことにより個々の防災の対策として、土地をかさ上げして家を建て直した住民さんもいらっしゃいますが、かさ上げした分、今回の建物被害に関しては床下浸水と判定されることにより、公的支援の受けらる範囲が低くなってしまうケースが発生します。被害があっても公的支援制度の枠に該当しない場合は、個人での修繕負担も大きく、今後、経済困難等も課題です。

PBVでは、避難生活の環境改善やコロナ対策への助言・伴走支援、地域の拠り所となる地区公民館の運営サポート、住民さんの困りごとの把握や物資など生活支援のサポート、心身のケアを丁寧に行い、穏やかな生活を一日でも早く取り戻すために活動を続けていきます。

 

 

今回の緊急支援報告会は、1時間という短い時間だったにもかかわらず、質問も多く飛び交い、有意義な会になったと思います。災害は発生当初は報道されることが多いですが、その後どうなっているのかの報道がなかなかされません。ぜひご参加された皆さま、被災地の“ いま ”をご家族やご友人に広めてください。各被災地の支援の情報はSNSで発信しています。ぜひご覧ください。

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最後に、自然災害の頻発により災害が常態化しつつあり、今回の豪雨災害でも多くの被害が発生してるにも関わらず報道も少なく社会的な関心が高いとはいえません。今後も、丁寧に支援活動を続けながら、情報発信に努めて参りますが、支援金が不足しているのが現状です。

是非、緊急支援募金に少しでもご協力をいただけましたら幸いです。
心からお願い申し上げます。

◆2021年熱海市土砂災害緊急支援募金

◆2021年8月豪雨災害緊急支援募金