【緊急支援】グアテマラ火山噴火 生き残ったのはわたしだけ?

大阪北部地震が発生する、2日前、6月16日に中米グアテマラから一通のレポートがピースボート事務局に届きました。

 

レポートタイトルは「フエゴ火山 状況」。

差出人はピースボート国際交流の船旅の現地カウンターパートナーであるアンヘリカ・レジェスさん。

 

レポートには、6月3日に発生したグアテマラの火山噴火災害の詳細と支援を求める内容が記されていました。その中で、次の一文を読んだ時、しばらくその先を読み進めることができませんでした。

 
「私たちは訪れた避難所で、3歳の子どもに出会いました。その子は、『ここに何日もいたら、パパ、ママに怒られちゃう』と言っていました。

その後、その地区で生き残ったのは、その子だけだったということが分かりました」

 

火山の砂や泥に覆われた道路。埋まってしまった人々を捜索する消防と警察。(写真:Joel Dardon)

 
フエゴ火山は、首都のグアテマラ・シティーより南西44キロにあるアメリカ大陸でも有数の活火山のひとつ。6月3日の大規模な噴火により、火砕流や溶岩が流れ出し、大量の火山灰が噴出しました。複数のコミュニティがまるごと被災し、1万人以上が避難生活を強いられています。噴火から2週間経った時点で、犠牲者は100人以上、行方不明者も100名以上です。その後も新たな噴火を繰り返し、170万人を越える人びとの生活に影響を与えています。

 

 

多くの警察、レスキュー隊が子どもやお年寄りを救助している。(写真:Joel Dardon)

 

靴は熱さに耐えられず底が外れるため、全ての人が靴を縛り危険地区に入っていく。(写真:Joel Dardon)

 

 

噴火直後に避難できた人々は、着の身着のまま逃げ、家や家族、収穫物など、全てを失いました。

今後、避難生活は長期化することが予想され、食事、日用品、衛生用品などあらゆる物資が不足しています

 

小学校の教室で避難生活を始めた家族。この女性は、噴火2日後に出産した。(写真:Joel Dardon)

 

 

これらの現地カウンターパートナーの支援要請と報道等の状況から、ピースボート災害ボランティアセンターでは、グアテマラのフエゴ火山噴火災害の被災者に対する支援を決定しました。

 

支援活動は、グアテマラ現地カウンターパートナー「MINNASAN」を通じて実施します。アンヘリカ・レジェスさんが代表と務めるグアテマラ現地パートナー団体「MINNASAN」は、日頃から貧困に苦しむ子どもたちに学ぶ機会や生活サポートをするため2005年に設立されました。団体名の「MINNASAN(みんなさん)」は、グアテマラの子どもたちに「いらっしゃい」との気持ちを込めて付けた名前です。2006年に支援を求めるために初来日したことがきっかけで、国際交流の船旅を行うNGO「ピースボート」との交流が始まりました。ピースボートの船がグアテマラに寄港する際は、子ども達との交流やグアテマラの現状を学ぶ機会を提供してくれています。

 

「MINNASAN」代表 アンヘリカ・レジェスさん[写真右]

 

フエゴ火山の噴火後も、避難生活を続ける被災者への物資支援に加え、家族を失ったり、トラウマを抱えた子どもたちをサポートしたいと、ソーシャルワーカーや精神科医と協力して活動しています。

 

PBVでは、皆様からご協力いただいた募金は「MINNASAN」を通じて、被災者への日用品・衛生用品などの支援物資として、また子どもたちのケア活動への支援金にしていきます。2018年11月にはピースボートの船旅を通じて直接グアテマラを訪問し、現地の復興状況を確認するとともに、日本からの追加の支援物資も届ける予定にしています。

 

日本では、報道が少なくなってしまいましたが、どうぞ被災者への緊急支援募金のご協力をお願いいたします。