【西日本豪雨から1年】 新たな集いの場づくり

西日本豪雨災害から1年が経ちました。岡山県の倉敷市や総社市では、現在もなお住み慣れた家、地域から離れ、建設型仮設住宅や借上型仮設住宅(みなし仮設住宅)で生活が続いています。建設された仮設住宅は2市合わせて312戸にのぼり、2018年10月末時点では301戸に719人が生活をしていました。現在でも、259戸に607人(2019年6月末:岡山県)が暮らしていますが、自宅の修復・再建には多額の費用かかり不安の声も聞こえてきます。

 

被災によって自宅で生活が困難になった住民は、避難所での生活を強いられます。避難所では、見知らぬ住民同士で慣れない共同生活を数カ月を過ごすことになりました。ともに避難生活を送っていく中で住民同士も顔なじみになり生活にも慣れ始めたころに、建設型仮設住宅に移動することになります。災害前から暮していた地域コミュニティとも離れ、避難所で築いてきた交友関係も維持することが難しくなります。今度は移り住んだ建設型仮設団地で、再度いちから住民同士の関係を築いていくことになります。住民にとって何度も関係を作り直す作業は、とても大きな負担になります。

 

 

建設型仮設住宅は、個々のプライバシーが守られやすい反面、顔や生活状況が見えにくくなります。これまでの被災地では、コミュニティになじめない住民は孤立しがちになり、ときには「孤独死」といった悲しい出来事も起こってしまいました。

 

 

そういった課題を二度と繰り返さないよう様々な対策が取り組まれています。その一つとして、気軽に住民同士が顔を合わせ、会話をかわし、交流を深める場づくりとして集会所や談話室の設置があります。(※災害救助法では仮設住宅21~49戸につき1棟の談話室(40㎡)、50~69戸につき1棟の集会所(60㎡)を設置するとなっています)

 

しかし、集会所、談話室の建物自体は建設されても、机や椅子などの備品は準備されません。PBVではより住民同士が集会所や談話室を活用しやすいように寄付や助成金を活用し備品を提供してきました。寄贈した備品は、住民が集まって話をする為のイスやテーブル。ちょっとした娯楽を楽しむためのカラオケセットやテレビ、掃除機などの電化製品。お茶会やイベントを実施する為のポットや調理器具。AEDや救急セットなど、もしもの時の救命道具などを提供しました。

 

 

 

 

集会所や談話室を利用している、住民からは「この集会所に来るようになって、新しいお友達ができたの。同じ地域に住んでたけど今までは知らなかったから、ひどい目に遭ったけどときにはいいこともあるのね」と教えてくれました。またある住民は、「家に1人いても寂しいだけだから、用事がなくてもここ(談話室)に来ちゃうの。そしたら誰かいるから」とおっしゃいます。集会所、談話室を活用されている住民にとっては、とても大切な集いの場になっています。

 

 

 

 

今回の集会所および談話室への備品提供は、PBVのサポート会員および「2018年 西日本豪雨災害 緊急支援募金」へのご寄付をいただいた個人ならびに法人の皆様、PBVが加盟する「特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)」の助成金を活用して実施致しました。

 

ご協力、誠にありがとうございました。
引き続きご支援のほど、どうぞよろしくお願いします。

 

 

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