【台風19号 福島支援】地域の方が主役、支援のこれから 

私たちの世界は、なぜこんなにも災害が多いのでしょうか。
未知の感染症の脅威が世界中で広がっています。新型コロナウイルスは、被災地でも大きな影響を与えると考えられます。この危機を一人ひとりができることを通じて乗り越えていきたいと思います。

 

昨年10月に発生した台風19号による被害は、大規模な家屋の浸水被害をもたらし台風の命名としては42年ぶりに「令和元年東日本台風」と名づけられました。災害救助法が適用された自治体は、390市区町村にのぼり、その数は東日本大震災を超えて過去最大の適用数となりました。

 

PBVでは2019年10月14日から福島県いわき市に常駐し、多岐に渡る支援活動を行ってきました。いくつかの活動は終息を迎え、いくつかの活動は地域の皆さんにバトンタッチしました。PBVスタッフの現地の常駐は3月をもって終了し、今後も定期的に通いながら地域の皆さんを支えていきたいと思います。

 

これまでにPBVを通じて延べ2,500名を超えるボランティアの皆さんが様々な活動に携わりました。また、現地に足を運ぶ以外にも、様々な形で応援してくださった皆さんに感謝申し上げます。被災地では、息の長い関わりを必要としていますので、引き続き、どうぞ関心を持ち続けてもらえると嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

◆いわき市災害ボランティアセンターサポート
いわき市社会福祉協議会が運営する、いわき市災害ボランティアセンター(災害VC)にて、マッチングや現地調査のサポートを行いました。2月下旬に災害ボランティアセンターは閉所され、現在は、常設のボランティア活動センターが、相談受付業務などを引き継いでいます。

いわき市災害VC延べ活動者数:10,185名
いわき市災害VC活動件数:953件

 

◆被災家屋の清掃
PBVとして災害VCでは対応が難しい床・壁はがし、床下に潜っての土砂撤去などの活動を中心に実施しました。他の支援団体やボランティアグループとの連携により、一般家屋のほか、田畑や公民館・集会所の清掃なども実施しました。技術を必要とするニーズ対応については、いわき市消防の有志チームとともに実施し、地元との方達で継続して活動できるように必要な資機材等の寄贈も行いました。今後も地域のニーズに合わせて活動を続けていかれます。

PBV家屋清掃延べ活動者数:1,085名
PBV家屋清掃延べ活動件数:190件

 

◆家屋保全に関する講習会
PBVの新たな取り組みとして、水害に遭った家屋の対応やカビが生えてしまった場合の対処方法を、地域住民へ直接伝える講習会を実施しました。また、被災した建物をお借りし、実際に壁を剥がすワークショップも開催しました。講習会・ワークショップ開催のほか、チラシを配布し家屋の状態確認の呼びかけなども行いました。地域の皆さんが、自身で自宅の再建に取り組めるように支えました。

開催数:11回
参加者数:約160名

 

◆避難所運営サポート
市内最大の避難所となった内郷コミュニティセンターにて、運営サポートを行いました。避難されている方々がより良い環境で生活を送れるよう、段ボールベッドの導入や、炊き出しでの栄養調整、イベントの実施などを行いました。また、退所後の生活に困っている方のサポートも実施し、避難されていた方の同窓会も行いました。それがきっかけで連絡先を交換するなど、新たにつながれた住民もいらっしゃったようです。

 

◆炊き出しによる食事支援
10月末まで続いた断水、その後もキッチンの被災で炊事が難しい状態が続きました。長引く避難所生活などの影響で、十分な栄養や温かい食事を取れない方への炊き出し支援も行いました。

実施回数:29回
提供食数:約5,930食

 

◆地域でのサロン活動
地域の公民館・集会所が被災したことにより、これまで行われていた集まりや催しなどができなくなってしまいました。近隣住民が集まり、ほっと一息ついてもらえる場、情報を交換する場として2つの地域でサロンを行いました。もともと住民がサロンを行っていた下好間地区では、サポートという形で実施。下平窪地区は、物資配布の拠点となっていた公民館でサロン活動を開始し、その後公民館の修繕に伴い仮設サロンを設置しました。今後サロンを行いたい!という地元団体へ引き継ぐ形で現在もサロンを継続しています。新型コロナウイルス拡大防止のため、サロン活動はしばらく休止となっていますが、また復活できる日を心待ちにしています。

実施回数:54回
訪問人数:約2,251人

 

◆写真洗浄
浸水の被害を受けた写真の応急処置の方法や洗浄方法を伝える講習会を実施したほか、自分では洗浄ができない方のアルバム等を預かり、洗浄してお返しする活動も行いました。きれいになった写真を見て、とても嬉しそうにされた皆さんの笑顔は忘れられません。

講習会実施回数:5回
講習会参加者数:20名
写真洗浄数:5,920枚/アルバム113冊

 

◆公民館・集会所への備品提供
被災した公民館・集会所は行政の補助制度などを利用しながらの復旧が進んでいます。PBVでは、行政からの補助の対象外となる事務備品、机、いす、給湯機、冷蔵庫など、公民館・集会所を活用する上で必要な備品の提供支援を行っています。この活動は今後も継続して実施していきます。

対象施設:6施設

 

 

 

 

 

 

これらの活動を通じて、多くの方から「ありがとう」「出会えてよかった」「また来てね」と声をかけていただきました。また、「PBVの活動を通して、改めて人に寄り添うことの意味を知りました」とおっしゃっていただいた方もいました。

たくさんのボランティア、スタッフが活動に参加しましたが、一人ひとりが目の前にいる方に寄り添い、何ができるかを考え、活動した結果だと思います。全国各地・世界から応援してくださった方がいたからこそ、活動ができました。

 

そして、私たちを受け入れてくださったいわきの皆さんに、心から感謝です。

 

台風で被災した地域では、時期によって課題は変化していきますが、今後も一歩ずつ前に進んでいくことになります。引き続き、皆様からのご支援・ご協力をお願いいたします。

 

 

◆台風15号・19号被害 緊急支援募金

台風15号・19号被害 緊急支援募金