【宿泊型トレーニングキャンプ】初日レポート

PBVでは災害ボランティアを育成する目的で「災害ボランティア・トレーニングプログラム」を開催しています。今回はその中のスキルアップ講習として、実際の災害ボランティア活動に備えた内容を宮城県石巻市にて開催。関東を中心に22名の方に参加して頂きました。宿泊型のスキルアップはこれで2回目の開催です。※初回のレポートはコチラコチラ

沼津キャンプ全景
※ボランティアの宿泊地として使用した沼津キャンプ


今回の講習目的はひとつ!

「水害が発生したときに、すぐに動けるひとになる!」

普段のスキルアップ講習では専門的なスキルをもった団体が行なう講習会を推奨しています。しかし今回のトレーニングキャンプでは、PBVスタッフがそれぞれの経験と得意分野を活かして開催。国際基準の考え方から車のトラブルシューティングまで水害時に必要となるスキルを2日間に凝縮しています。

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大型バスで石巻へ向かう参加者

初日は自己紹介からスタートです。
始めこそ少しカタイ感じもありましたが、終盤になるとみんなでワイワイ賑やかに。ボランティアに参加する人たちが集まるだけあって皆さんさすがに積極的です。4チームに分かれてトレーニングキャンプの始まりです!2日間の進行は奥村が担当。

オリエンテーション
オリエンテーション

まずは少しカタメの講習。PBVでは人道支援の国際基準であるスフィア・プロジェクトの考え方をもとに支援活動を行なっています。ボランティアの皆さんにも必要となる、人道支援と災害支援の考え方を学びます。

スフィア・プロジェクトスフィア・プロジェクト
講師は小林深吾

基礎を学んだ後には、津波の被害にあった町を歩きます。
危険なポイントやボランティア活動をするうえでの注意点について、肌感覚を持ち記憶に残します。
震災直後の道路の状態、ライフラインが無い時のボランティア活動や、被災後に残る継続した課題などをスタッフの鈴木が案内。

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ボランティア活動で大切な事のひとつに

「自分の身の安全を確保する」

ことがあります。清掃活動に限らず、ダメージを受けた家屋で活動する際には注意して見るポイントは知っておくことが重要です。チーム内で気になる箇所を出し合いみんなの考えを共有します。

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今回の講習では食事にも仕掛けが!
東日本大震災の活動中にボランティアが準備したもので、多かったものや便利だったものを用意。それを自分たちで調理します。容器も限られ、配られる飲料水もスフィア・プロジェクトの最低基準となる1人1日2.5Lまでと決められています。大切なルールはふたつ!「残さないこと」「ゴミを少なくすること」

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気になる「ボランティア飯(めし)」の内容は、アルファ米、缶詰、カップめん、レトルトカレー、パスタ、生キャべツなどなど。チームには昼、夜、朝の3食分がすべて渡され、どの順番で食べても良し、
組み合わせも自由。なかにはチーム毎に内容物が異なり、他のチームをうらやましく思ってもらう仕掛けもなんかも。

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昼食を済ませたら、いよいよボランティアテントサイトの設営です。外部から支援に駆けつけるボランティアには宿泊場所の確保は重要なこと。有料の施設が確保できないときにはテントなど野外で宿泊することもしばしばです。

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今回は宿泊用テントやイベント用テントの作り方はもちろんですが、大切なのはその配置や必要となるその他設備の準備です。通路確保とトイレの準備。ゴミ箱の位置や危険ポイントの確認などを行ないます。テントサイト全景

ちなみに、今回のトイレは災害時用トイレを利用しました。便座はダンボールで手作りし、テントの中に入れて使用します。セットされたビニール袋には専用の凝固剤を入れて「ミッションコンプリート」です!

ダンボールトイレ作り1 title=

11月下旬の石巻は16:30で日没。そして気温は下がりサバイバルな時間がスタートします。
一応言っておきますが、東北の秋は”めっちゃ寒い”です。

電気の無いキャンプ場では発電機を使用します。ライトなども最小限、手がかじかみながらの調理です。今回は少し甘いですが、焚き火で暖をとりながらの夕食をとりました。やはり暖かいものを食べたいのでみんなカップ麺や暖かいパスタなどを食べています。茹でたキャベツを食べているチームも。

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そして今回のプログラムの中でとても好評だった「しゃべり場」の時間です。普段の生活では少数派となってしまう災害ボランティアの存在。「自分にとっての災害ボランティアとは」をテーマに自分の思いや葛藤などを焚き火を囲んで真剣に語り合います。皆の話に共感し、時に笑いが起こり、個々の思いを知ることが出来ました。10代~50代までの参加者が自分の思いや考えを素直に話せる事って、実はとてもすごい事なのかな~と思います。

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そして夜もふけ、1日目は終了。

焚き火写真

とても綺麗な星空と共に、どこかからいびきが聞こえながらの就寝です・・・。