ボランティア5名から、異なる災害や活動分野の体験談を聞いた後、新潟中越沖地震や東日本大震災、九州豪雨災害など、ピースボートの災害支援のボランティア・コーディネーターを務めた上島から、「災害ボランティア・トレーニング」の内容について発表しました。
ボランティアに参加する前に最低限の知識を持っておくことでスムーズに災害支援が行えるようになったり、ボランティア体験談の中でも何度も繰り返された現場のリーダーの存在が大切です。全国6都市(東京、神奈川、愛知、大阪、福岡、宮城は日程調整中)でセミナーを実施するほか、受講が難しい人に向けたインターネットでの「災害ボランティア検定」など、災害が発生地域を選ばないだけに、広く裾野を広げることを目的にしています。
●「災害ボランティア・トレーニング」の詳細・申込は コチラ
●「災害ボランティア検定」の詳細・申込は コチラ
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第3部では、ゲストとしてNHK大阪放送局専任ディレクターの近藤誠司さん、神戸市社会福祉協議会の長谷部治さんに、関西から駆けつけていただきました。
ファシリテーターを務めたPBV代表理事の山本を含め、3名の災害支援との関わりは、阪神・淡路大震災が原点。大勢の人が集まり「ボランティア元年」と言われた災害です。
学生時代に神戸でのボランティアに参加、その後長田区の社会福祉協議会を経て、現職に。国内計16もの災害支援に関わってきた災害ボランティアのスペシャリストの一人です。「被災地においては、助かった地元の人は被災した近所の人を助けるのが前提」として、被災地外からの応援ボランティアも、いかにお互いの長所を活かした融合を図れるかで、支援に大きな差が出ると話してくださいました。
「報道によって支援の格差が生じてしまう」と話す近藤さん。「東日本大震災は、とにかく地域によって多様な被害が生じていました。報道としても、『東北各地ではこういった状況です』と被災地をひとくくりにするのではなく、被害状況一つひとつに合わせたきめ細かい報道を目指す必要があると思っています。被災地で支援をおこなっているボランティア団体が現場で集めた貴重な情報も、今後は丹念に報道していくことによって、より一層支援の輪を広げていきたい」と、報道活動の課題や展望にもふれてくださいました。
これまでの話を受け、山本隆からは、今後のPBVの活動に対する思いを発表しました。「自分の地域で災害が起こった時に、自分たちの身を守る最低限の知識を持った人材を育てるのが、『災害ボランティア・トレーニング』の目指すもの。その上に、その個人個人が地域でつながり、ほかの地域での災害に対しても地域のグループで応援に行くというネットワークをつくり、災害時に人が人を支援するための安全保障を広げていきたいと思っています」。
(前半のレポートは コチラ)
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※当日、資料として配布した「災害ボランティア・トレーニング」と「災害ボランティア・ネットワーク」に関する文書は、下記からダウンロードできます。来場できなかった方など、ぜひご覧ください。
●「災害ボランティア・トレーニング」の実施にあたって(PDF/441KB)
●「災害ボランティア・ネットワーク」の構築に向けて(PDF/179KB)
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PBVとしても、この1年半でいくつもの災害支援を経験し、これから本格的な災害ボランティアの普及に向けて取り組んでいきます。それこそが災害の被害や犠牲から目を背けないという決意であり、役割だと思っています。平坦な道ではありませんが、様々な団体にもご協力いただき、一歩ずつ、かつスピードを上げて頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。
photo by Shoichi Suzuki