「災害ボランティアのこれから」イベント報告 Vol.3

イベントは引き続き、第2部「多様なヒトを動かせる若いリーダーの育成を!」へ。春休みを迎える学生たちにも、これからの東北支援やほかの災害支援にも参加して欲しいという気持ちもあり、今回はそれぞれ大規模に学生を組織する「Youth for 3.11(以下、YF3)」と「IVUSA(国際ボランティア学生協会)」のメンバーから発表をしてもらいました。

事前に行ったインタビューでの談話も交えながら、第2部の報告をどうぞ。

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第2部モデレーターは、イベントの主催でもある上智大学グローバル・コンサーン研究所の福武先生。

 

YF3は、「学生のチカラを最大限に発揮し、効果的な支援活動を実現する」ことを目的に、関東の学生たちが立ち上げたネットワーク。今では関西にも支部が広がり、5,000人を越える学生たちがメンバーとして登録しています。
YF3は、支援現場を直接持つのではなく、東京や大阪で事前研修やフォローアップを行い、現場支援を行うNGO/NPOである

東京災害ボランティアネットワーク
日本国際民間協力会NICCO
日本財団ROADプロジェクト
日本冒険遊び場づくり協会
オンザロード
め組JAPAN
セーブザチルドレン & ワオコーポレーション & BCG

そして、PBVらと提携し、多くの学生メンバーをボランティアに送り出すことを主な活動にしています。

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YF3関西支部、広報リーダーの三井喬広くん。

 

三井くんは、自身も6月にNICCOのプロジェクトに参加、気仙沼でのボランティアを行いました。学生にとって、ボランティア参加のハードルのひとつは「お金」。体力と時間と気持ちがあっても、参加費が捻出できず断念していた仲間も多かったと言います。特に、関西から直接東北へのボランティアバスを運行している団体がNICCOしかなく、東京からの参加費は工面できても、そこまでの往復の交通費が捻出できないという金銭的な問題を解決できずにいました。

そんな中で、9月台風12号の被害が発生し、PBVが和歌山県での支援を始めます。「災害で困っている人がいるのであれば、東北の支援に限る必要はない」と、脇山さんをリーダーに、PBVの和歌山県での緊急水害支援にボランティアを送り出すことを決めました。一方のPBVにとっても、東北に比べ圧倒的なボランティア不足に悩んでいた時期。関西のYF3の存在は大きな力になりました。

 

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YF3関西支部のプログラムリーダーの脇山知花さん。

 

三井くん同様、脇山さんも気仙沼でのボランティアを経験していましたが、その時の経験と比べ、和歌山でPBVと活動した際に一番驚いたのは「現地に長期滞在するコーディネーターやAD、リーダーなどが組織されていた」ことだそうです。

27人のグループで行った気仙沼での活動時は、特にリーダーなどを事前に決めておらず、その場その場で過去の災害支援経験がある人がたまたまグループに一緒にいたので、その方からアドバイスをもらいながら作業を進めたとのこと。

「自分たちで考える、という意味ではいい機会でしたが、もし初心者の学生たちだけのグループになっていたら何から手をつければいいのか、何に注意すればいいのか分からなかったと思います。和歌山でピースボートと活動したことで、被災地の現場で効果的な支援を行うためには、ボランティアをまとめる現場のリーダーが必要だということを実感しました」。

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脇山さん、三井くんはその後、第4期「災害ボランティア・リーダートレーニング」にも参加。

 

 

一方、IVUSAは1992年から長く活動を続けるNPO法人。阪神淡路大震災やナホトカ号重油流出事故でのボランティアや、カンボジアでの小学校建設、中国での植林活動などの国際協力など多岐にわたる活動の歴史を持ちます。

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IVUSA国際ボランティア学生協会、2012年度学生代表の益子くん。

 

益子くんは、そのIVUSAの2012年度・第20期の学生代表。今回の震災でも石巻や気仙沼での現場へ行く前から、各地の水害支援なども経験してきました。IVUSAでは、平時からこういった数々の災害に対して学生メンバーがいつでも動けるよう、地域の防災訓練に参加したり、独自の危機対応講座などを行っているそうです。

「初めて経験する災害でも、平時から講習や訓練を積み重ねておくことで、現場で起こりうることの予想がつくようになります。また、現地でのボランティア経験とともに、こういった講習にももっとたくさんの人が参加することで、いつでも一人ひとりが助け合える共生社会をつくることが僕たちの目的です」。

 

 

益子くんの話を受け、ボランティア・コーディネーターの小林深吾からは「災害ボランティア・リーダートレーニング」の内容を紹介。3月の初期段階から現在に至るまで石巻での活動を続ける中で、ボランティアに求められること、現場で起こったトラブルやぶつかり合いも経験してきました(詳細はコチラ)。

それを一つひとつ解決してきた自分の経験を、どう次のリーダーたちにも共有できるかを考えていたところ、途上国での開発援助などに詳しい福武先生らと出逢い、リーダートレーニングのカリキュラムの中でも、非常に大事にしているケーススタディーのワークショップを一緒につくることになりました。福武先生には、ケースの作り方のほか、現役のADやリーダーからの聞き取り、それを実施するトレーナー側に必要な視点などのポイントも教えていただきました。

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リーダートレーニングのカリキュラム「ケーススタディー」の様子。

 

最後に福武先生からは、頂いたメッセージは、

「私たちの大学や研究所の目的は、いかに社会に役立つ人材を育成できるかということ。そのためには学問だけでなく、人間関係をどう構築するのかという考え方が必要だと思っています。ピースボートのリーダートレーニングが、単に災害支援のスキルを身に付けるだけのものではなく、ボランティア同士の、ボランティアと被災者の、ヒトの関係に重点を置いているところに注目しています」。

 

イベント当日お越しいただいた皆様、ご登壇いただいた皆様、ありがとうございました。
また、お越しいただけなかった皆様は、ぜひ下記Ustreamのアーカイブをご覧ください。
http://www.ustream.tv/recorded/19971539

 

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「人こそが人を支援できる」という言葉を活動の中心に置くピースボートの災害支援。きちっと人材がいて、組織されていれば、ボランティアは必ず役立ちます。

リーダートレーニングは、必ずしも「リーダーになりたい人」にだけ受講してもらえばいいものではなく、「リーダーの視点を知り、リーダーを支えられるボランティアになりたい人」にも、ぜひ受講してほしいと思っています。

現在募集中の第8期まで(コチラ)も、まだ若干定員に空きがありますし、その後も続けていきます。
ぜひ、ご参加ください。