未曾有の震災と大津波、そして原発事故。神戸や新潟、海外での災害救援を行ってきた私にも、昨年3月11日以降、東北で行ってきた支援は初めて体験する規模の活動でした。全国また世界中から駆け付けてくれた多くのボランティアの皆さん、募金や支援物資の提供、情報発信など、数え切れないご協力の一つひとつがあって、ここまで続けてくることができました。本当にありがとうございました。
石巻市は、本格的な冬に入りました。半壊・全壊した家屋の取り壊しが進む光景を眼前にすると、震災前の人々の暮らしが嘘のようで、厳しい寒さに気持ちの面でも追い打ちをかけます。仮設住宅での暮らしも厳しいです。住まいの問題を解決すれば、雇用を吸収できる大阪へ通えた神戸の震災とは全く環境が異なります。元々抱えていた過疎や高齢化の問題は震災により拍車がかかりました。時間が経ち、支援のあり方、ボランティアのあり方は変わってきています。ただ、それはニーズがなくなったということではありません。
故郷の再生を願う被災者の気持ちは、ずっと現地で支援に当たってきた私たちも同じです。これからも、東北の方々をはじめ、全国また世界中の人々と手を取い、全力で復興への努力を続けていきたいと思います。2012年も、どうぞよろしくお願いいたします。
ピースボート災害ボランティアセンター代表理事 山本隆