音楽の灯を消さない ライブハウス「La Strada」の引越し

久しぶりの更新です。
実は先日まで、気仙沼・陸前高田・大船渡などの被災地へ、ある音楽家の方々と共に音楽を届けに行っていました。
その話はまた追って報告とさせていただきますが、実は今日のレポートも音楽つながり。

以前、ブログでも報告しましたが、5月中旬、ロックバンド「ソウル・フラワー・ユニオン」が、演奏をしに来た際に使わせて頂いた石巻のライブハウス「La Strada」。
当初は、大型船が建物の入口を塞ぐように乗り上がっていましたが、5月には撤去が完了。電気も通り、ピースボートのジェネレーター(発電機)を貸し出して機材チェックを行ったところ、幸いにも機材の破損は見られなかったため、営業再開に意気込んでいたのですが、先日、建物自体の老朽化と地盤沈下の影響で取り壊しが決定してしまったそう。

とても残念に思っていたところ、オーナーの方から一本の連絡。
「続けるか悩んでいたけど、移転先が見つかったから続けることにしました。ついては引越しのお手伝いを頼めないだろうか。」
せっかく石巻に点いた音楽の灯り。それを消さないためならと、引越し当日は10名のボランティアと共に引越し作業のお手伝いへ。

集合のあと、オーナーさんから運び出す機材の説明を受けてから作業スタートです。ライブハウスの音響機材は、重く高価な精密機器が多いため、緊張しながら慎重に運び出します。

元の「La Strada」はビルの2F。細い階段を手運びで機材を降ろしていきます。
音響機材は、それぞれがかなりの重量。その中でも群を抜いてヘビーだったのが、コイツ。100キロはあろうかというメインスピーカー。


ステージの両サイドに縦に2本重なり積まれ、堂々と鎮座していたコイツを4人がかりでなんとか下に降ろし、キャスターを使って階段の手前まで運びます。
そこからは、力自慢の精鋭部隊4名が気合の掛け声と共に階段を手運びそれを繰り返すこと4回。なんとか全ての荷物を降ろし切ったところで、お茶の差し入れが。
涼しげな川面を眺めながら暫しの小休止です。
汗でぬれた顔にあたる川風が気持ち良い季節になってきました。

汗だくになった身体を一息ついて休ませて、さあ、ここから今度は新店舗への搬入が待っています。
用意していた3tトラック、軽トラックに荷物を満載。

トラックで新店舗前に着いてみると、先に着いていたメンバーが一人苦笑いして立っています。どうしたのかと、場所を確認すると…

新店舗も2階(しかも階段)でした。しかもタイミングを計ったかのように、短期シフト(2泊3日)で来ていた組が、バスの出発時間が迫って離脱…。作業進行は半分完了。でも、人数も半分に。

もうこうなったら、あとは気合のみ!!ガンガン上げていきます。
で、あっという間に作業完了

この新店舗は7月からオープンとのこと。オーナーさんも「遊びに来てね」と言ってくれているので、新装オープンの際にはみんなで遊びに行こうと話しています。
この「La Strada」をはじめ、最近の石巻市中心部では再開しているお店が増えてきました。
大手のチェーン店だけでなく、個人商店や地元に根付いた小さなお店の再開が増えるにつけ、街には看板の明かりが点き、夜飲みに出ている人も見受けられるようになって来ました。
まだまだ「活気」とまではいきませんが、なんとなく街が息を吹き返したような、そんな気がして嬉しくなるこの頃です。
新しく移転した「La Strada」では、石巻の復興を勢いづかせるような、そんな素敵な音楽が鳴り響いていくことでしょう。