災害ボランティアセンター技術系ニーズ作業区分の公開と、珠洲市でのマッチング業務実績

能登半島地震やそれに続く水害では、広域にわたり甚大な被害が発生しました。家屋の応急対応、漂流物の除去、土砂撤去など、奥能登4市町村(輪島市、珠洲市、穴水町、能登町)における技術系団体の活動総数は11,000件を超えています。

この活動は、各市町の社会福祉協議会(社協)とNPO団体が協力し、現場で試行錯誤を繰り返しながら技術系ニーズの支援調整を実施してきた成果です。

 

珠洲市における「技術系支援窓口」の実践

珠洲市では、PBVは現場での直接的な活動に加え、珠洲市社協からの依頼に基づき、災害VC内の**「技術系支援窓口」の運営およびマッチング業務**を担ってきました。

この窓口運営を含む珠洲市災害VCのニーズ対応支援は、皆さまからの寄付金に加え、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)からの助成を受けて実施しています。専門スタッフを配置し、多様なニーズを専門的な視点で精査することで、地域全体の支援を最適化する「ハブ」の役割を果たしてきました。

 

【資料:珠洲市災害VC ニーズ対応状況(2025年1月31日時点)】

 

現場から生まれた支援の成果

専門的なマッチングの実施
珠洲市で受け付けた全ニーズのうち、約半数にあたる**3,425件を「技術ニーズ」**として識別しました。PBVは窓口として、現地調査の結果をふまえ、各技術系団体へと適切にマッチングを行っています。

パートナー団体との連携
技術ニーズのうち、すでに2,901件が完了しています。これは、珠洲市社協の協力体制のもと、主要9団体をはじめとする多くの技術系パートナーが、この窓口を通じて一丸となって活動した結果です。

安全で確実な支援体制
資料の右側にある通り、「技術系団体」と「一般ボランティア」の役割を明確に分担しています。専門的な窓口が介在することで、ボランティアの安全を守りつつ、困難な家屋保全ニーズにも確実に応える体制を構築しました。

現場の知見を、広域での「標準化」へ
こうした珠洲市や各市町村で実施してきた支援調整の知見を、奥能登4市町で活動していた以下の担当団体で持ち寄り、技術系ニーズの作業区分を整理・統合しました。

▼社協と連携して支援調整を担った各市の担当団体

輪島市: 災害NGO結

珠洲市: ピースボート災害支援センター(PBV)

穴水町: ADRA JAPAN

能登町: OPEN JAPAN

 

これまで、団体間で何をどこまで実施できるかという認識に違いが生じることもありましたが、PBVが事務局を務めるJVOAD技術系専門委員会とともに「作業区分」を一覧にまとめ、標準化したことで、今後の災害支援における共通言語ができました。

 

災害ボランティアセンター技術系ニーズ作業区分一覧(PDF) 

※本一覧の作成・公開は、公益財団法人日本財団からの助成を受けて実施しています。

この「災害ボランティアセンター技術系ニーズ作業区分一覧」は、自治体や社会福祉協議会など支援に関わる多くの方々に、技術系団体がどのような作業に対応可能かを把握していただくための参考資料としてご活用いただけます。

なお、この一覧は、2025年11月11日に行われたJVOAD全国フォーラムの分科会「災害時の家屋保全や重機などを活用した技術系支援とその調整について」内で、連携する技術系団体と共に公開しました。

 

これからの活動に向けて

現場での一つひとつの積み重ねが、地域全体の、そして将来の災害支援の仕組みづくりへと繋がっています。

PBVはこれからも、被災された方々の「一日も早い安心」に貢献できるよう、現場と運営支援の両面から、皆さまのご支援とともに歩みを進めてまいります。