5月28日、ピースボートの災害支援ボランティアの第10グループが石巻専修大学に到着しました。ピースボートからはバス3台で計102名、協力して活動しているap bankは109名です。
その中から清掃チームに入ったグループがさっそく向かったのは、津波による被害を受け、空き店舗を借りて再開する予定になっている「おひさま保育園」です。実はこの空き店舗も、向かいの道路の先にある川が氾濫して、すぐ目の前まで水が押し寄せたという場所です。今日はこの保育園の清掃のお話をお伝えします。
すでに先生や父兄の方たちの手による清掃作業は始まっていましたが、そこにボランティアチームが加わります。水拭き、空拭きで床をキレイに仕上げるところからスタートしました。そして、ピカピカになった床では、お父さんたちがベッド作りを始めます。
殺風景だった室内には、鮮やかなカーペットが敷かれるだけで雰囲気も変わります。
昼食時にはその上に座り、自己紹介で出身国や趣味などから会話が弾みました。先生の一人は、「こういうこと(大震災)があったけれど、それで皆さんに出会えたことは良かったと思っています」と語ってくれました。
園長の高橋たえ子先生からは、「体調を崩したりしたこともあったけれど、『何か手伝えることがあれば言ってください』という言葉に甘えさせてもらっています。本当に感謝しています」というお礼の言葉を頂きました。
土曜日ということもあって、保育園に子どもを通わせているお父さん方も来ていました。6歳と3歳の子どもを持つお父さんは言います。
「津波で道路がバイクを何台も押し流すような濁流になっていました。その激しい流れを見た時、当時の保育園は川の向こう側にあったから、自分の子どもは亡くなってしまったかと思いました」
子どもたち運よくは助かっていました。しかしその後の避難の際も困難が続きます。
子どもたちは保育園のバスではなく、先生方の自家用車で避難しました。道路はひどく混み合っていました。
「でもギュウギュウ詰めに子どもを乗せた状態を見て、渋滞の中に入れてもらえました。道を譲ってくれた運転手の方のことは忘れられません」
お父さんは、涙を堪えながら生々しく話していただきました。お父さんの6歳の子どもは、卒園を迎えて、無事に小学生になることができました。
親御さんも先生方も、そしてボランティアのみんなも、ここが子どもたちの笑顔と元気な声に包まれる時を心待ちにしています。
そんな想いでピカピカに生まれ変わった「おひさま保育園」は、5月30日の月曜日から再開をはじめました。