「災害ボランティアセンター」に関する連載をはじめます!
こんにちは。防災・減災教育担当の遠藤です。
この記事を第1号として、月に一回の連載をはじめます!
今後、数回にわたってご紹介するテーマは
「災害ボランティアセンター」。略して「災害VC」です。
PBVはこれまでに、全国25カ所以上の被災地にて災害VCの運営をサポートしてきました。
その経験を、多くの地域の方々にぜひお届けしたい! そんな思いで、まずは災害VCに焦点を当て、事例や豆知識をお伝えしていきます。
そもそも災害VCとは、災害が発生した地域で開設されるもの。
しかし、災害はいつ起きるか分かりません。
そのため、災害VCの主な設置運営主体である社会福祉協議会の担当者から、
「初めて開設・運営する際、何をどうしたらいいのか不安・・・」
「被災地に行った経験がないので、そもそも災害VCのイメージが湧かない・・・」
などの声をよく耳にします。
災害VC運営サポートって?
PBVが行なってきた「災害VC運営のサポート」と一言でいっても、役割はその時々で異なりました。というのも、被災地の状況や要請内容などがいつも同じではないからです。
参考に今まで実施してきたものをご紹介します。
1、「ニーズマッチング」
被災者のお困りごとの調査や、お困りごとと災害ボランティアを繋ぐこと
2、「サテライト運営」
災害VCの地域拠点(被災現場により近い支店のような所)の運営サポート
3、「地域支援拠点の開設」
「生活物資が足りない」「人に会う機会がない」「支援情報を知らない」などの課題を抱えた地域に、物資配布・サロンイベントなどの実施を行う場所の設置
4、「シーズ調整」
災害VCに来る様々な人的・物的支援の申し出を被災者へ繋ぐ調整
などなど。
他にも特定の班や役割に囚われず、運営全体をサポートする事もありました。
これらの役割を通して得たものを、今後数回に分けてご紹介していきます。
被災地になくてはならない災害VC
災害VCのサポートをすることで、実感してきたことがあります。
それは、災害VCがしっかり機能することで、被災者の困りごとに寄り添うことができ、そして解決できる場にもなるということです。
被災者から、
「被災後から困っていたことを、親身に聞いてくれた」
「自分たちではどうしようもできなかった家の片付けを、1日で終わらせてくれた」
などの声を聞くたびに、やっぱり災害VCはなくてはならない存在なのだと実感してきました。
一方で実際に災害VCを運営した方からは、
「訓練経験がほとんど無く、予備知識がないままいきなりの立ち上げだった」
「災害VCの運営には多岐にわたる役割があり、職員だけでは限界があった。平時から担い手の確保をしておけばよかった・・・」
といった、悩みや後悔の声も耳にしてきました。
PBVは講師派遣を行なっています
災害VCを運営してきた方々からの声を受け、PBVは「災害VC運営者養成に関する研修会」への講師派遣を行っています。
研修会の内容は、
- 運営者に共通して求められる心構えなどの基礎的な内容
- 被災地での運営事例を基にした支援体制構築の方法
などを中心にお伝えしています。
これまでに全国各地から約300回の講師派遣依頼をいただき、約12,000人に受講いただきました。
※災害VC運営者研修などの講師派遣のページはコチラ
首都直下型地震、南海トラフ大地震、地球温暖化がもたらす異常気象の激甚化・頻発化。
残念ながら今後も災害は必ず発生します。それは、ますます災害VCの重要性・必要性が高まっていくことを意味します。
既に全国各地の市区町村で「災害VCをどのように運営していくか?」ということが検討されています。災害時、住民や地域を守ることができるために、少しでもその取り組みにヒントや後押しになるようなことができればと考えています。
出来る限り有意義な内容を考えて、また来月発信したいと思います!
今後もよろしくお願いいたします!
防災・減災教育担当の遠藤でした!