「震災から3ヶ月、災害ボランティア報告会」レポート (前半)

6月12日日。震災からほぼ3ヶ月が経過したこの日、ピースボートは、これまでの災害支援を振り返り、今後の活動につなげていくためのイベント「災害ボランティア報告会」を行いました。会場となったJICA地球広場広尾に集まったのは、これまでボランティアに参加した人や、今後のボランティア希望者を含む約220名です。その内容をご報告します。

中央が山本隆
中央が山本隆

まずは現場で指揮を取るピースボート共同代表の山本隆が、震災から3ヶ月の取り組みについて振り返りました。

「震災の現場で感じたことは、とにかく人手が足りないことでした。震災初期に、東京ではボランティアは迷惑になるだけという世論がありました。でも現場ではそうじゃなかった。だからピースボートでは早い段階から多くのボランティアを送り出して、それを機能させる体制作りをしてきました。3ヶ月を振り返ってそれは間違っていなかったし、ある程度の役割は果たせたかなと思っています」

4月以降は毎週100人を越えるボランティアが集まってきました。その情報を集約し、集まってくるボランティアを必要なところに振り分ける「ボランティア・コーディネーター」として活動したリビア人の大学生、アーデル・スレイマーンさんはこう言います。

「ピースボートの常駐スタッフが、朝から晩まで電話の応対に追われていたんです。彼らがもっと別の仕事のために動けるようにする必要がありました。そこで、ボランティアの動きを把握して、どこにどういったらいいかを指示を出す役回りをさせてもらっていました。僕が現場にいるときにはたくさんのボランティアの方が来てくれたのですが、残念だったのは、学生が少なかったことですね。これからは、自分の学生が集まるサークルを作って、なんとか呼びかけていきたいと思っています」

アーデル・スレイマーンさん
アーデル・スレイマーンさん

炊き出しのコーディネートをしていた伊東充代さんは、炊き出しは、ボランティアが担っている部分がとても大きいと言います。

「避難所では、4月後半でもおにぎりとパンだけという所がありました。できるだけ温かい食事を配りたいのですが、大きな避難所と小さい避難所には、炊き出しの頻度で格差ができてしまったりします。さらに在宅避難者の方々もいます。だから調整が大事になります。ところがボランティアの減少もあって、1日に提供できる量が減っています。なんとか食事の量を維持するためにも、もっとボランティアに来てもらうことが必要です」

右からアーデルさん、伊東さん、SUGIZOさん
右からアーデルさん、伊東さん、SUGIZOさん
SUGIZOさん
SUGIZOさん

LUNA SEAやX JAPANのギタリストとして活躍するミュージシャンのSUGIZOさんは、一般のボランティアとして参加して、瓦礫の撤去や泥だしなどを行いました。

「ボランティアに来ている人は10代から70代までいました。誰にでもできることがあります。そこには有名か無名かなんて関係ない。だからボランティアに行ってほしいと思っています。それから被災地にはまだまだ瓦礫が撤去されていなかったりと、手つかずの場所が多いです。政治も、もっと被災地の現場に目を向けてほしい」

後半につづく