《スタッフの想いリレー》#5 鈴木郁乃:できる人ができる時にできる事を

クラウドファンディングへのご協力をありがとうございます。
終了まで残り6日となりました。昨日から始めているスタッフの想い紹介ですが、5人目のご紹介するのは鈴木郁乃(すずきいくの)です。
他のスタッフと少し違う関わり方をしている彼女は、海外支援を担当しています。

➀災害支援を仕事にしようと思ったきっかけはなんですか?
2011年の東日本大震災が起きた時に、仙台市に暮らす友人夫妻が、ボランティアに来るなら、うちを拠点にしていいよと声をかけてくれて、ゴールデンウィークに初めてボランティアとして参加したのが災害支援に関わるきっかけでした。正直なところ強い使命感があった訳ではないのですが、もともと不便な環境での生活に慣れていたこと、装備があったこと、仕事が土日休みだったことなど、これだけ条件が揃ってたら行かない理由がないな、と思って参加しました。その後、石巻や仙台市内、東松島、大槌町、気仙沼、南相馬市などでボランティアとしてお手伝いするようになりました。何度か東北に足を運ぶうちに知り合いも増えて、どこかで災害が起きると顔見知りのボランティアから声をかけてもらうようになり、2016年の台風・豪雨被害に遭った岩手県岩泉町、2017年の九州北部豪雨で水害に遭った福岡県朝倉市などにも個人ボランティアとして伺いました。どれも週末や連休だけの、ほんの数日間の活動ですが、地元の方々やボランティアの人々からは本当に多くを学び、日本各地に大切にしたい繋がりができました。
PBVに関わったのは2013年に発生した伊豆大島の台風被害の時が最初で、もともと伊豆大島は好きな場所だったので、ボランティアの受け入れをしていたPBVの活動に参加しました。仕事として関わるようになったのは、2018年に西日本豪雨発生時にPBVが開催した報告会に参加して、PBVスタッフの知人に声をかけてもらったことがきっかけです。

 

 

➁この仕事を続けている理由はなんですか?
ボランティアとして関わってきた時とあまり変わらず、やれる人が、やれる時に、やれる事を、の気持ちで続けています。災害支援に関心はあっても、家庭の事情や仕事、健康状態など様々な理由で現場での支援活動に関わることが難しい人は多くいます。幸運にも私には動ける条件がそろっていたので、だんだんそれが仕事になって、今に至っています。今は他の仕事もしながら、PBVの国際業務を担当しています。変則的な働き方ですが、周りの人々のご理解とご協力に支えられ、仕事を続けています。

 

③今までの災害支援での印象的なエピソードなどを教えてください。
2011年の震災前は、ちょうど「アラブの春」が世界のニュースになっていた頃で、北アフリカの各地で民主化運動が巻き起こっていました。当時、縁あって日本に暮らすチュニジア人留学生たちと、日本でNPOを作って民主化に向けて動いているチュニジアの人々を支援しようという計画を進めていました。その矢先に東日本大震災が発生し、留学生たちは帰国し、結局NPOを作る案は立ち消えてしまったのですが、地震・津波を境に、世界から見たら今は私たちが「困っている人」なんだ、と漠然と感じたことが記憶に残っています。
GWに初めて石巻の専修大学に行ったときに、国連のWFP(世界食糧計画)の大きな白いテントが設置されていたことがとても鮮明に記憶に残っています。WFPは飢餓と貧困の撲滅のために活動する国連組織なのですが、難民キャンプや紛争地などで食糧支援をする団体というイメージを持っていたので、そのWFPのテントを石巻で目にしたときに、今は日本が国際機関に支援される側なんだという実感がわいて、東京で感じた漠然とした気持ちよりもはっきりと、改めてショックを受けました。災害は支援する側と支援される側が一瞬でひっくり返ります。それが目の前で起きたことのインパクトが大きかったですね。

④今後の目標や大切にしたいことはなんですか?
昨年からの新型コロナの影響で、海外の被災地で直接的な支援を行うことが難しい状況が続いていますが、PBVでは現地の支援団体の活動に協力するという形で海外支援を続けています。例えば、昨年夏に発生したモーリシャスの船舶座礁・重油流出事故に対応する現地NGOへの支援を呼びかけた際には、8000人以上の方々がご寄付という形で協力してくれました。コロナ禍にあってもこの事故に対して「私も何かしなくちゃ」と思った人がそれだけ多かったという事実にとても勇気づけられました。どこかで災害が発生したときに、こうして自分事として気持ちを寄せてくれる人を1人でも多くすることが、今後の課題だと感じています。さまざまな社会課題への取組みが直面していることですが、SNSの普及でもともと災害支援に関心を持っている人と繋がることは容易になった一方で、その他の人たちとの繋がりを作りにくい社会になっています。関心のなかった人が災害支援などの社会活動と「うっかり出合う」仕組みをもっと作っていきたいと考えています。
特に自然災害の多い日本では、誰でも災害に巻き込まれる可能性があるので、いつでも「困ったときはお互いさま」と言える、お互いに寄り添い、頼り合える環境づくりが大切かな、と思っています。日本の被災地支援の活動では、日本に来た旅行者や、在日外国人コミュニティの人々にボランティアとして助けていただいたり、海外の支援者からご寄付をいただく場面も多々あるので、PBVの活動を通じて国境を越えた「お互いさま」の輪を広げていきたいです。

 

 

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