【クラファン寄稿】「コロナだからやめておきましょう」が、 命・尊厳・暮らしを守ることを遠ざけてしまう悔しさ

(本記事は、現在実施中のPBVのクラウドファンディングページに掲載した内容と同様です。)

 

 

千葉支援の現場より:発災から1年半。地域課題と新型コロナの壁

2020年7月豪雨災害 熊本支援チーム 垣貫紀彦

 

 

2020年7月豪雨の発災から半年以上が経つ今日も、熊本県や大分県での支援活動を続けています。
私たち現場スタッフは、コロナ禍での避難所運営に携わり、現在は被災者のニーズを解決するため、地域に設置された災害ボランティアセンターの運営支援を担っています。
また、被災によって集まる機会と場を失ったコミュニティの再建のために、公民館や集会施設への備品提供・サロン活動の再開に向けたサポートを行っています。

今、街を歩くと公費による解体が始まり、更地が目立つ地域も出てきました。流入した土砂がそのまま乾いて砂まみれとなって残っている家屋もあります。「もっと早いうちから支援に入れてたら…」という考えが、どうしてもよぎってしまいます。
これまで緊急事態宣言によってボランティア募集を呼びかける範囲に制限がかかり、全く活動できない期間が約2ヶ月もありました。「住み慣れた家や地域でもう一度暮らしたい」そんな当たり前の願いが叶う日を待ち続けています。しかし、仮設住宅での生活や在宅避難を続けている方など、もとの暮らしを取り戻すにはまだまだ時間がかかりそうです。
「新型コロナがなければ、発災直後にもっと、全国各地から支援の手を募ることができたはずだ」と、複合災害時の復旧作業の難しさを強く感じます。

 

 

感染症対策はもちろん大切です。
けれど、衣食住が十分でない環境に半年以上もおかれ、心理的に不安なまま過ごし続けている方がいるのも事実です。もとの暮らしに戻るために被災した自宅をリフォームしたくても、同じ状況におかれた被災者からの発注が多く、工事を開始するのに数カ月以上待たされるのが当たり前です。さらに、コロナ禍ではボランティアが活動できないことで「自分ひとりで片付けていては工事開始に間に合わないかもしれない。これを逃したらまた何か月も待たないといけないかも…」と言う方もいます。

「コロナ禍だから仕方がない」と言って易々と、命や尊厳、暮らしを守るための手を止めてはいけないと思っています。被災地はいま、「新型コロナを予防しながら、被災者への支援を届ける」という大きな命題に直面しています。

 

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 10周年目。気持ち新たに、災害につよい社会づくりに貢献してまります。
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