【西日本豪雨災害(7月豪雨)】試行錯誤の避難所支援

現在、岡山県倉敷町には、指定された避難所が16ヶ所あり、約1,500名の方が避難生活を送っています。そのうち、特に被害が大きかった真備町には指定避難所が3つあり、約800名が小学校に避難しています。

PBVでは、発災後の先遣調査で、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)の避難所生活改善委員のメンバーとして、避難所の実態調査もおこないました。

 

 

指定避難所は小中学校などの教育施設が多く、もともと大勢が長期間の避難生活を送ることを前提にした設備になっていません。そのため、避難者が体を休めるための寝床や食事やトイレ、必要物資の提供、避難生活などのルール作りなど運営体制や生活環境を整えることが必要となってきます。

 

残念なことに、これまでの災害では、多くの高齢者が過酷な避難生活によって体調が悪化したり、最悪の場合亡くなってしまうこともありました。災害が発生するたびに、災害関連死として報告されています。避難生活では、高齢者や子ども、障がいのある方など、特に配慮が必要としている方たちの生活も考慮して、環境の整備が必要です。

 

PBVでは倉敷市や、NGO・NPOなどの外部支援者とも協議し、倉敷市内の避難所への運営支援を始めました。まずは、施設管理者である学校の先生や倉敷市職員、地元応援者、応援で入っている自治体職員などの皆さんから、発災後の経過や現状の課題、運営に関わる方たちの役割分担や今後の体制、またPBVが必要とされる部分を伺っていきました。

 

 

 

 

PBVでお手伝いに入っている指定避難所は、倉敷市二万(にま)小学校と岡田小学校の避難所。厳しい避難生活でも、避難者のお話を丁寧に耳を傾けならが、小さな変化の積み重ねで、少しでも快適な生活になるように取り組んでいきます。

 

二万小学校では、約250名が体育館に避難していました。住民の皆さんのお話を伺いながら、避難所の細かな点を確認していきます。たとえば、シャワー室が設置されていたものの天井がなく、建物の2階や3階からシャワー室内が見えてしまうため、すだれやブルーシートで目隠しを設定しました。日本赤十字と協力しながら、ダンボールベッドを導入するための段取りを組んだり、生活のルールなどをわかりやすくお知らせするために表示を作成したり、洗濯物を干せるように男性用と女性用の物干し場を設置したりと、気づいたところから徐々に環境を整えてきます。

 

 

 

 

 

夜間の明かりが無く女性が不安に思ったり、足元が暗くて危険だったものをアウトドアメーカー・モンベルからランタンをご提供いただき、設置しました。避難されている住民さんからも「明かりの雰囲気がいいわ」「ヘッドライトが明かりになるんだ、これいいね」という声も聞こえてきました。

 

日々、様々な課題が目の前にやってきますので、関係者や住民さんと相談しながら試行錯誤で、一歩ずつ前に進んできます。避難所には、多くの子ども達も生活していますが、子ども達も表示作りを手伝ってくれたりと、嬉しい場面にも出会います。

 

 

 

岡田小学校は、最も避難者の多い避難所の一つで、その数は約370名ほど。体育館と教室のほとんどが避難所として使われ過密状態が続いています。岡田小学校で大きな課題となっていたのは、配食の問題。避難者が多いため、長時間炎天下で食事を受け取るために並んでいました。少しでも負担を軽くするために、配食の導線を工夫しました。また、掲示板にはたくさんの情報があふれているために、重要な情報をまとめてわかりやすい情報紙の作成にも取り組んでいます。岡田小学校の避難所では、避難者の班長会議も実施されるようになり、避難されている方たち意見表明やルールづくりの場になり始めています。

 

 

 

 

9月3日に小学校の再開が決まり、今後、どのように子ども達が学べる場所を学校側に明け渡していくのか、難しい課題が山積しています。

 

緊急的な避難状況から、徐々に避難所での生活に変わり始めています。
しかし、倉敷市真備町では全壊家屋も多く、避難生活は長期化していく恐れもあります。この暑さで、避難所で生活されている方たちも、身体的にも精神的にもつらい状況にあります。学校の先生方や倉敷市職員、応援職員が懸命に取り組んでいますが、現在の一番の課題は、長期的に避難所のコーディネートをできる人材が不足していることです。PBVとしても、ボランティアと協力しながら、避難されている方たちの声に丁寧に耳を傾けながら、少しでも生活環境を良くできるように中長期的な視野でサポートしていきたいと思います。

 

 

 
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