【九州北部豪雨】 現地レポート4 ~支援の輪は巡る~

 

「情けは人の為ならず」

被災地の災害支援に携わっていると、そんな言葉を思い起こさせる場面がたくさんあります。

 

「情けは人の為だけではなく、いずれ巡り巡って自分に恩恵が返ってくるもの」

 

災害は、日本全国どこにでも起きる可能性があります。それは時には私たちを被災者にもしますが、支援者にもします。もし、自分が被災して酷く厳しい状況にある時に、手を添えてくれる人がいるとしたら、きっと心強く感じることでしょう。そして支援を受け取った人は、次の災害でどうしたら手を差し伸べられるか考え始めるかもしれません。「支援を受ける人‐支援をする人」は、決して固定化された立場ではなく、入れ替わりながら巡っていくものなのかもしれません。

 

昨年の4月に起こった熊本地震で、PBVは益城町の避難所「広安小学校」の運営サポートに携わりました。

 

 

そこでは、小学校の卒業生たちが、避難所となった母校の卒業生を集め、自身も被災しながら、避難所運営を最初から最後まで手伝ってくれていました。彼らの活動は、食事の配膳や物資の整理にトイレ掃除、その他にも住民同士で話をできる場づくりをしたり、子どもたちに勉強を教えたりと多岐に渡りました。日々彼らの存在が避難所に活気を与えてくれていました。そんな彼らも、今年、高校を卒業しそれぞれの進路へと進んでいきました。

 

まだ慣れない新生活の中、卒業生2名が休日を利用してボランティアとして九州北部豪雨の被災地に駆けつけてくれました。彼らが自ら率先して作業を進めていく姿勢や、しっかりと自分の言葉で経験を語っている姿はとても頼もしく、共に活動できたことを本当に嬉しく思える瞬間でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回、九州豪雨の支援活動に参加しようと思った理由を伺ってみたところ

 

「去年震災の時に、県外から支援に来ていた人達に助けてもらったので、少しでも恩返ししようと思い参加しました。」(Iさん、社会人1年目)

「去年、沢山のボランティアさんが益城のために来てくれたので、今回は自分が被災地のために出来ることをしようと思い参加しました。」(Hさん、大学1年生)

と思いを語ってくださいました。

 

 

去年、被災者となってしまった彼らが、今回の九州北部豪雨で被災地のために恩返しとして行動してくれたことは、被災地から被災地へとても素敵な繋がりを感じさせてくれました。

 

そして、”人こそが人を支援できるということ”。

 

災害ボランティアや支援の裾野が広がることは、いずれ自分自身が被災した時に、手を差し伸べてくれる人達が増えることになります。当たり前のように困っている人に、それぞれが出来るかたちで手を差し伸べらる社会がもっともっと広がっていけるよう、PBVとしても努力し続けていきたいと思います。

 

 

■「災害ボランティア入門」講座
https://pbv.or.jp/volunteer_training/basic

 

■2017九州北部豪雨災害 緊急支援募金
https://pbv.or.jp/donate/2017kyusyu

■Yahoo!ネット募金
Tポイントでのご寄付も可能です。
https://donation.yahoo.co.jp/detail/4370011/