3.11 東日本大震災 緊急支援報告『災害ボランティアを活かす仕組みを』(後半)


「震災前よりもいい街にしなきゃいけない」と話すISHINOMAKI 2.0の松村さん。

 


続いての登場は、伊藤さんと同じく石巻から駆けつけてくれたISHINOMAKI 2.0の実行委員、松村豪太さん。これまでもピースボートがお手伝いしたイベントの報告などで何度かブログに登場していますが、「石巻人として、3.11前の街に戻すのではなく、生まれ変わった新しい石巻を作りたい」という想いから行っている様々な活動を紹介していただきました。会場に集まった人たちには「ボランティアとしてはもちろん、歴史的災害の現場となった石巻を見に来るということだけでも意味は大きい。その際は利用してください。」と、空き店舗など改装して格安で提供する『復興民泊プロジェクト』の話も。

 

 

そして、ここからは第2部に入ります。

 

まずは、諏訪中央病院の名誉院長で作家の鎌田實さんとピースボート山本の対談の様子から。鎌田さんは震災直後から各被災地に足を運んでおり、石巻ではJIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)の代表として千人風呂プロジェクトの立ち上げなどに尽力されました。「ヘドロが溜まり埃が舞い飛ぶこの過酷な環境の中で数週間もお風呂に入れないというのは、どんなに辛いことか想像し難かった」とプロジェクトを始めたきっかけを紹介し、「生活にかかせない”お風呂”という場所で被災者とボランティアの新たな絆が生まれる」とも話しました。「そういう現場を目の当たりにすると、やはり人を救えるのは人なんだと強く実感できる」という鎌田さんの想いが心に響きました。

 


「まだまだピースボートにも山本にも頑張ってもらわなきゃ」とエールを送ってくれた鎌田さん。

 

続いてはゲストトーク。山本と共に震災直後から石巻に入っている小林深吾が司会を務め、ゲストの皆さんに活動を通してそれぞれの専門的見地から見えてきた問題点などをお話していただきました。

 


災害支援に関わる様々な団体への助成金の在り方について話すロシート・セラジーンさん(Give 2 Asia 東日本大震災基金アドバイザー)。

 


被災地だけではなく、県外へ避難された方の法律相談などに関してお話した、作家の雨宮処凛さん。

 


被災地で活動した後、自分の生活に戻る中で自己嫌悪に陥る人もいることなど、ボランティアに対するメンタル面でのケアも必要と語る香山リカさん(精神科医)。

 


全てのボランティアをひとくくりにするのではなく、人を動かすという意味でピースボートのリーダーにはある種の専門性がある。と語る金敬黙さん(中京大学准教授)。

 
最後に、ピースボートが新しく始める「災害ボランティア・リーダートレーニング」のプログラムについて、担当する小林深吾から発表が行われました。
このプログラムは、今回の震災から学び、次の震災の被害を最小限にするために作られたもので、阪神・淡路大震災、そして今回の東日本大震災において改めて浮き彫りとなったボランティアをまとめる「リーダー」の不足に対して、その人材育成を急務と考えたピースボートの重要な取り組みです。※詳細については14日のブログをご覧ください。

 

再び登壇した山本から、これまでの活動に対するたくさんの支援への感謝を締めに、予定の2時間を超えるほど充実した報告会は無事に終了しました。会場に設けられた販売ブースには長蛇の列ができ、このブログでも紹介した木の屋さんの缶詰や雄勝の女性たち手作りの雄勝石のアクセサリーなどが見る見るうちに売れていきました。

 

作った人、販売した人、購入した人、それぞれの温かい気持ちが込められた「お土産」を片手に交流会会場に移動する参加者の方々を見て、改めて石巻で生まれた人と人との絆の強さを感じずにはいられませんでした。

 

さぁ、明日からも復興に向けてみんなで頑張っペー!

 

 

 

All photos by Mitsutoshi Nakamura