ADの1日 クリーン編 (後半)

1日の作業を終えたAD(アシスタントディレクター)一條。夕方からは、今日の反省と、それを活かした明日以降の作業の段取りのため、怒涛のミーティングの時間へと突入します。

 


16時半過ぎ、作業チームが寝泊まりするカスカファッションでチームリーダーと。作業報告や明日への改善点を話し合います。


18時半、石巻専修大学にて石巻災害復興支援協議会のミーティングに参加。

 


20時15分からピースボートの本部がある廣山にて、ディレクターを中心に各作業部署のAD(アシスタントディレクター)同士で今日の作業報告。

 


21時半、漁業支援のADやLL(リーダーリーダー)など、密接した作業の担当者らとさらに細かく分科会。それぞれの明日の動きなどを確認してようやく終了。

 

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と、そんな忙しい合間をぬってインタビューをしました。

 

Q:
まずは人柄のチェックから。年齢や出身、趣味や好きな食べ物を教えてください。

一條:
25歳で福岡出身です。趣味は洋服作り(服飾の専門学校に行っていたので)と人間観察です。変な意味じゃなくて(笑)、その人のファッションの細かい部 分とかに目がいっちゃいますね。スポーツはサッカーを小学校、中学校でやっていました。好きな食べ物はカニクリームコロッケです。クリーム系が好きです ね。あとはピリ辛きんぴらレンコン。

 

Q:
ピースボートの災害支援ボランティアを知ったきっかけは?

一條:
震災の直後から、現地でボランティアをできる団体をいろいろ探していました。ピースボートの第69回クルーズに乗船していたので、知り合いのスタッフに 「ピースボートが現地支援に行くことになったら教えて」と伝えていたところ、支援が決まってすぐに連絡があって初期の段階から参加することができました。

 

Q:
石巻に入った当初の印象はどうでしたか?

一條:
震災からそれほど経っていない時期(3月22日)から現地に入りました。報道で見ていた写真や映像ではわからなかった想像を絶する状況で、現場で瓦礫を見 た瞬間、他人事から自分事になったのを覚えています。避難所になっていた湊小学校に入ったんですが、食事をとれていない人ばかりで、クリーンより何よりと にかく物資が必要だと感じました。
人との関わりでは、みんな理性というより本能で動いているような極限状態でした。それでも東北気質なのかどうかはわかりませんが、物資を個人宅に届けても 「もっと他に必要な人がいるだろうから」と遠慮して受け取らず、配布会のような、みんながもらえる状況ならすごい勢いで持っていくというのには驚きまし た。それは今やっている漁業支援でも同じで、それぞれの港や浜の漁師さんたちも「自分たちのところだけじゃなく、他の港も平等に支援してほしい。」と、漁 業の復興のバランスを考えているのを感じます。

 

Q:
やりがい、やっていて嬉しかったこと、逆につらかったことなどを教えてください。

一條:
もともと人をまとめることやプロデュース側の裏方的な立場が好きなんです。将来は起業したいと考えているんですけど、机に向かっての勉強だけではなく、と にかく現場で体を使っていろいろな経験をすることが大切だと思っています。責任あるポジションなので致命的な失敗はもちろんしたくないです。けれど、こう した方が良かったかなぁみたいな細かいミスや反省も生かしていけると思えるようになってきました。初めの頃は、とにかく使命感というか「やらなきゃ!」と いうことしか考えられなかったんですけどね。
嬉しかったことは、今の立場で特に意識している現場での雰囲気作りやモチベーション作りが上手くいった瞬間ですね。つらかったことは・・・、あったとして も「つらい」とは言いたくないタイプです(笑)。しいて言えば、以前に人からポジションや仕事を引き継ぐことが多かったので、できあがったものの中に入っ ていくという時が最初だけ体力を使って大変かなと。

 

Q:
今後やりたいこと、どういう様に関わっていきたいのか教えてください。

一條:
これからスタートする「災害ボランティア・リーダートレーニング」プログラム(13日のイベントで発表予定)に参加したいと思っています。自分の経験を伝えていくというか、それが一番やりたいことでも あるので、特に力を入れていきたいと思っています。

 

半年間の現場経験はもちろん、彼の人柄やアツい想いが被災者の皆さんやボランティアメンバーの力になっていることを強く実感しました。今後のさらなる活躍に期待したいです!

 

 

 

All photos by Mitsutoshi Nakamura