「ツナミカ」 南インドからの小さなお人形

このお人形は「ツナミカ」。南インドのオーロヴィル村から、石巻に届いたお守りです。


2004年に12月に発生したインドネシア西部・スマトラ沖地震は、大きな津波を引き起こし、南インドを含む被災各国で22万人以上のかけがえのない命を奪いました。

それから7年、東北を襲った東日本大震災のニュースが、南インド・オーロヴィル村にも届きました。「津波被害を乗り越え、私たちは生きています。この小さなお人形は、その証です。私たちが自立できたように、あなたたちも必ず復興できると信じてほしい」。ツナミカには、そんな想いが込められています。

オーロヴィル村の人々は、漁業を中心とした海の恵みによって暮らしています。2004年、その海が村を襲いました。漁師だった夫を失った村の女性たち。悲しみを乗り越え生きていくため、周辺の6つの村から約500人が集まり「ツナミカ」プロジェクトが始まりました。

ツナミカの素材は、服やバッグを作る時に余った布など、普段はゴミになってしまうもの。「自然の中に使えないものなんて何もない。創意工夫があれば、すべては美しく生まれ変われる」。ツナミカは、ひとつずつ丁寧に手縫いされていきます。

プロジェクトを知ったインドの、そして世界の人々から協力の申し出がありました。村の女性たちは、このツナミカをつくることによって新しい職を得ることができ、ツナミカを通して世界の人々とつながることができました。

2011年4月、5月、たくさんのツナミカが、インドに寄港したピースボートに託されました。船に乗って日本にやってきたツナミカは、ボランティアの手によって、石巻の人々の手に届きました。

今回の震災では、たくさんの世界からの支援が続いています。いつかまた世界のどこかで自然災害が起こった時は、今度は私たちが「恩返し」をする番。その時のために、まずは東北の復興を全力で支えていく、もっと良い社会をつくっていく。それが、いま私たちにできることなんだと、ツナミカが教えてくれたような気がします。オーロヴィル村の皆さん、ありがとうございました!!

※「ツナミカ」の詳しい情報はコチラ (英語)