宮城県石巻市で仮設住宅入居者向けて提供している情報誌「仮設きずな新聞」が100号を迎えました。
避難所が閉鎖された2011年10月。
津波によって家を失くされた多くの方たちが、応急仮設住宅に移り住むことになりました。漁村部は、比較的集落ごとにまとまって仮設団地への入居となりましたが、それ以外のほとんどの地域では、抽選によって住み慣れた地域から離れてバラバラに仮設団地へと移り住むことになりました。
慣れない地域で、慣れない仮設住宅での生活が始まりました。
その頃、少しでも新たな生活に役立つ情報を届けようと「仮設きずな新聞」のプロジェクトを開始しました。多くのボランティアの手によって、週に1回新聞を発行し、丁寧に一軒一軒ノックしながら手渡しで新聞を配布していきました。
まずは、ニーズの多かった「仮設住宅での住まい方のコツ」や「地域情報」「店舗の再開情報」、「イベント情報」などを紹介していきました。
ボランティアが直接仮設団地を訪れることによって、会話や交流が生まれ、仮設に暮らすみなさんとそれぞれの繋がりを持つ機会が生まれました。
あれから約4年、多くの方たちに支えられながら活動を継続する事ができました。
現在でも、月に2回「仮設きずな新聞」を発行し、石巻市内の133団地の約5000戸に配布を行っています。地区によっては地元の方たちも新聞の配布に協力してくださるようになりました。また、地域で継続的に専門的な活動を行っている団体に編集部に参加して頂き、紙面も多様な情報を提供できるようになりました。
今回、仮設きずな新聞100号を発行するに当たって、仮設団地でボランティアを暖かく迎えてくださっている読者のみなさん、協力してくださっているみなさんを招待して、ささやかな感謝の会を開きました。
会を開催するにあたり、悩みもありました。仮設きずな新聞が、100回も発行し配布できたのは、大きな成果でもありますが、仮設に暮らすみなさんにとってみるとそれほど長く、仮設住宅での暮らしが続いてしまっていることでもあります。
それでも、多くの住民のみなさんや協力者のみなさんが会に参加していただき、会を手伝ってくれた大学生のボランティアとも交流を深めました。
このプロジェクトを続けてこられたのは、新聞を読んでくださる方や製作・配布に関わっている下さっている方たちのおかげです。
本当に、ありがとうございます!
■仮設きずな新聞バックナンバー
http://pbv.or.jp/ishinomaki-psen/newspaper/