伊豆大島で「災害ボランティア入門」を開催しました。

9月15日、大島社会福祉協議会との共催で、出張「災害ボランティア入門」を行いました。PBVでも、延べ263名のボランティアが参加して清掃活動などを行った場所です。その後の復旧・復興の様子と合わせて、レポートします。

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この日は、石巻でも長くボランティア・リーダーを務め、昨年の各地の水害対応でもいち早く現場に駆けつけてくれた草野さん(ニックネームは「団長」)が案内してくれました。

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草野さん(写真中央左)

 

ご存知の通り、伊豆大島は、昨年10月の台風26号で三原山が土砂崩れを起こし、36名が犠牲となる大災害に見舞われました。現在もまだ、3名が行方不明のままです。被害の大きかったエリアでは、重機などを使った地ならしもまだ続いています。

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家を失ったり、災害危険区域に暮らしていた住民のうち、約30世帯は今も仮設住宅で暮らしています。在宅の方も含め、この夏も台風の接近のニュースが流れる度に不安に駆られたり、健康状態がなかなか回復しないなど、被災の影響はいまも続いています。

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現在は、大島で生活支援相談員として活動する草野さんを含め、社会福祉協議会が中心となって毎月「かわら版」を発行し、生活や地域に関する情報を一軒一軒に届ける活動を続けています。大規模なボランティアの人手を必要とする支援から、息長く、日々寄り添う地域の活動へ。石巻での「仮設きずな新聞」のノウハウも活かされているようです。

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「ホテル椿園」は、PBVにとっても、泥かきや食器洗いなど、たくさんのボランティアが活動した思い入れの深い場所。災害当時の記録写真が展示されていたり、被災体験の語り部を行ったりと、この先の災害に備えた伝承活動も行っているようです。

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椿園前で清掃活動をするボランティア(2013年11月撮影)

 

今回、「災害ボランティア入門」への参加は約40名。人口8,000人の島で、これだけたくさんの住民の皆さんに集まっていただいたことだけでも、地域のつながりの強さ、防災・減災意識の高まりが伝わってきます。まずは、PBVのボランティアもとてもお世話になった藤田事務局長からのご挨拶。

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3.5時間のセミナーの途中、架空の被災地を想定するロールプレイのワークショップを行いますが、「大島での出来事だったら、こうできるね!」など、自分の地域への想像力を持って取り組んでいた方がたくさんいたことが印象的でした。

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そして、会の終了後にアナウンスがあったのは、住民が企画する次回の防災セミナーの案内であったり、同じ土砂災害を受けた広島へのボランティア派遣についてなど。こういう一つひとつが、コミュニティが災害に強くしていくんだろうと、トレーナーとなったスタッフの方がたくさん学ばせてもらった1日でした。

 

あまりご紹介できませんでしたが、今回のトレーニングの後には、美味しい食事や観光名所などもご案内いただきましたし、本当に温かく迎えてくださった島の皆さんの人柄にも触れることができました。「また、行きたい!」そう思える場所でした。
大島の皆さん、本当にありがとうございました。

現在の大島には、観光で訪れることも大切なひとつの復興支援です。島への移動船や宿泊の割引など、各種サービスもあるようです。ぜひ、一度足を運んでみてください。