国連防災世界会議に向けて [その4] 国際準備会合と国内での中間報告

第3回国連防災世界会議 in 仙台」まで、あと225日。

6月にはタイ・バンコクでのアジア地域の準備会議、7月にはスイス・ジュネーブでの全体準備会議に参加してきました。また、3月の会議期間中に一般公開される「国連防災世界会議パブリックフォーラム」の公募も始まり、いよいよ準備が本格化してきました。

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今日は、先日ピースボートも共同事務局を務める「JCC2015(2015防災世界会議日本CSOネットワーク)」による中間報告会での発表内容を中心にご紹介します。

(参考ブログ記事)
ブログ[その1] 内容:なぜ日本で開催するの?
ブログ[その2] 内容:「HFA2(兵庫行動枠組2)」について
ブログ[その3] 内容:会議に向けた市民の動き

 

 

JCC2015は、東日本大震災における教訓を世界の防災に役立てるため今年1月に設立、国際協力NGOセンター(JANIC)CWS Japanふくしま地球市民発伝所とピースボートの共同事務局4団体がそれぞれ、国連や海外のNGOとの窓口、日本の省庁との意見交換、仙台や福島での自治体や団体との調整を役割分担しています。

さらに24の幹事団体は、関西や名古屋などの地域ネットワークを持っていたり、ジェンダーや障害の分野、国際的な環境や貧困問題などの専門性を持っていたりと、JCC2015としての活動の幅を広げる役割を担っているほか、ネットワークに参加する団体それぞれに東北被災地での活動経験を持ちます。発足時、64だった参加団体も、現在は90を越えます。
※JCC2015の概要、参加団体一覧などは コチラ

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7月25日のJCC2015中間報告会(東京)には、44団体62名が参加。

 

「第3回国連防災世界会議 in 仙台」は、2015年以降の国際的な防災の指針を決議する非常に大切なもので、防災部門の国連総会を仙台で開くというイメージです。それだけに加盟193カ国すべての代表団が参加を予定しています。それだけ大きな会議なので、早くから様々な準備が進められてきました。

ポイントだけご紹介すると、国際的な動きは以下のようなもの。

・2005年 兵庫・神戸にて第2回会議開催、「HFA(兵庫行動枠組)」を策定
・2010年 「HFA(兵庫行動枠組)」中間レビュー
・2011年 東日本大震災が発生
・2012年 世界各地域ごとの協議会・審議会実施、第3回の日本開催が決定
・2013年 防災グローバル・プラットフォーム会合、開催都市が仙台に決定
・2014年 世界各地域ごとの準備会議、全体準備会議
・2015年 仙台にて第3回会議開催、「HFA2」策定(予定)

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これに合わせて、ホスト都市となる仙台市では、2013年10月に推進協議会を設立。正式開催の決定通知後の2014年4月に「第3回国連防災世界会議仙台開催実行委員会」と移行して、準備に当っています。

JCC2015の共同事務局4団体が具体的に動き出したのは、2013年のこと。2011年3月11日以降は、ずっと東北被災地の現場や後方での支援に全力を注いでいたこともあり、準備プロセスへの参加が早かったわけではありません。ただ、東日本大震災が仙台開催へのきっかけでもあるので、その意味ではこのタイミングより早く動き出すのはそもそも難しかったかもしれません。

 

さて、「東日本大震災で学んだ日本の市民社会の教訓を活かそう」と活動を始めたわけですが、まず目指したのは「伝える」だけでなく、「ノウハウとして各国に広がる」ことでした。具体的には、今回の会議で策定される「HFA2」の中身に、きちんと現場の意見が反映されるよう働きかけるアドボカシー活動です。

2013年には東京や東北各地で、経験と現状を振り返る機会を作り、日本のCSO(NGO/NPOを含む市民社会組織)や被災した立場からも共通する教訓をまとめる作業を行いました。また、そういった各国の教訓を拾い集めて、世界共通の課題をまとめ上げていく立場の海外NGOの代表者らとも東北各地を回ったり、意見交換の場を持ちました。

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JCC2015は、GNDRADRRNHuairou Commission の海外NGO3団体とパートナーシップを結んでいます。

 

その後、彼らには会議やテーマごとの内容に合わせ、何度も日本からの提言(ポジション・ペーパー)として提出してきました。そして、その提言は、最終的に各国NGOの共同ポジション・ペーパーとしてまとめられました。JCC2015として主張してきたボランティアと地域コミュニティのより良い関係づくりの提案であったり、女性や障害を持つ災害弱者への対応力向上に関する言及、自然災害だけでなく原発事故などの人災への防災対策の必要性などの意見も盛り込まれています。

そして、今度はその主張を、防災世界会議の主催事務局である国連ISDRや各国代表の手元に届けるため、バンコクでの「第6回アジア防災閣僚級会議」(地域準備会議)、ジュネーブでの「PrepCom1」(全体準備会議)にも参加しました。

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「第6回アジア防災閣僚級会議」の様子(6月、バンコク)

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バンコク会議には、「ふくしま連携復興センター」などからたくさんのメンバーが参加。
複数のセッションやブースコーナーで、フクシマの経験を発信しました。

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「PrepCom1」では、各テーマごとのMajor Groups パートナー団体らによる顔合わせも。
堂本暁子さん(左から3番目)は、「女性と防災」がトピックのひとつとなる今回の会議に向け、日本人として積極的に活動する一人。JCC2015でもご協力いただいています。

 

「HFA2」の策定は、上記の共同ポジション・ペーパーや各国から提出された意見を素に、文書づくりが続いていくことになります。その作業は、災世界会議の責任者とも言える10カ国の代表が中心となって進めていくもので、JCC2015を含めたCSOからの具体的な文言の提案は、ここまでのプロセスでひと区切り。

最終的な「HFA2」の文書の内容はまだ分かりませんが、この段階での項目として検討されることもなかった私たちの主張がしっかりと彼らにも認知されていることを考えれば、JCC2015としてのアドボカシー活動の大きな成果だと言えるでしょう。

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※共同ポジション・ペーパー(英文)のダウンロードは コチラ (PDFファイル315KB)

 

そして、ここからは、来年3月の本番に向けての準備を本格化させていくつもりです。

 

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「市民のための防災会議へ!」とのJCC2015のメッセージには、

防災業界の関係者だけの会議にすべてきではないという想いがあります。
また、その「市民」には、海外の市民も、日本の市民も、東北の市民も含まれています。
その実現には、共同事務局の4団体だけの頑張りでは足りません。

 

7月25日には、東京でJCC2015としての中間報告会を行い、44団体が参加してくれました。

8月には、福島、宮城、岩手の三県を回り、勉強会・説明会を行います。(詳細は コチラ

来年は阪神・淡路大震災から20周年。兵庫の団体との協力も考えたいと思っています。

内容だけでなく、場づくりそのものを担うチームも必要でしょう。

国際会議で海外ゲストも多数参加することから、バイリンガルのボランティアも不可欠です。

 

200日以上あると言っても、あっと言う間に本番を迎えるでしょう。

 

 

また様々な場面でご協力をお願いすることもあると思いますが、
ぜひ最後までご協力のほど、よろしくお願いします。