10月9日、石巻

10月9日、ピースボートの船旅(使用客船:オーシャン・ドリーム号)が、宮城県石巻港に初寄港しました。たくさんの方々に支えていただき、この日を迎えられたことを本当に嬉しく思っています。

受け入れを担っていただいた石巻港大型客船誘致協議会の会長の亀山紘石巻市長からは、以下のような感謝のお手紙を頂戴しました。

数百枚に及ぶ写真編集のためご報告が遅くなってしまいましたが、ご声援・ご協力いただいた皆様への感謝を込めて、厳選した50枚の写真で「第80回ピースボート 地球一周の船旅」の石巻寄港の1日をお届けします。

 

早朝7時頃の石巻港中島ふ頭。
たくさんの大漁旗による歓迎を受け、オーシャン・ドリーム号が姿を見せてくれました。

着岸を目前に控えた船のデッキからは、何やらカラフルな横断幕が降りてきます。

これは、「世界から東北被災地を応援しよう!」に、と船旅を通じて作り上げた巨大な大漁旗。
デザインを担当した中心メンバーの一人が、「石巻ユースアンバサダー」の崎村周平さん。

描かれた大漁船に乗っているのは、 様々な言語で書かれた「夢と復興」への想い。84日間をかけて、世界各地で集めてきたメッセージの数々です。

総トン数35,265トン、全長205メートル、喫水7.5メートルの大きなオーシャンドリーム号も、無事に着岸。

 

もう一人の「石巻ユースアンバサダー」髙橋さやかさんも元気に下船してきました!
たくさん集まったテレビ取材で、さっそく地球一周の体験を語ります。

 

仙台・宮城観光PRキャラクターの「むすび丸」も駆けつけてくれました(^^)

 

歓迎式典では、阿部秀保東松島市長をはじめ、石巻大型客船誘致協議会の方々から歓迎のご挨拶をいただき、さらに石巻市、東松島市、女川町それぞれから記念品も頂戴しました。

こちらは、その際にいただいた一つ、「雄勝硯」で有名な雄勝石にデザインされたサン・ファン・バウティスタ号の記念プレート。現在も、オーシャン・ドリーム号船内に大事に飾ってあります。

 

オーシャン・ドリーム号パパチャリシオウ・ソティリオス船長からは、300名を越える乗組員を代表して感謝のスピーチ。

 

こちらは、今回の船旅のクルーズディレクターを務めた井上直。
2011年3月には、ピースボートの東日本大震災第一次ボランティアとして石巻で汗を流しました。彼の発案がきっかけで、ピースボートの石巻港初寄港に向けた準備が動き出しました。


(一番左が井上。2011年3月、石巻市内)

 

歓迎セレモニーはまだまだ続きます。
お次は、青葉城からやってきた伊達武将隊。 もちろん今年で400周年を迎える慶弔遣欧使節の主役・支倉常長も登場!見事な演舞を披露してくれました。

全国から乗船している約800名のクルーズ参加者も船を降りてきました。10個のツアー毎に別れ、バスに向かいます。

 

その道すがらの岸壁には、観光PRコーナーやホタテの炭焼きなどのテントが。石巻専修大学の学生たちは、B級グルメ「石巻焼きそば」を振舞ってくれました。

 

では、出発したツアーの行方をいくつかご紹介。

こちらは、女川町を訪問したグループ。これまで写真や映像でしか見たことのなかった津波被害を初めて目の当たりにしました。その後は、仮設営業を続ける「マリンパル女川」や「きぼうのかね商店街」 にも足を運びました。

 

支倉常長ゆかりの地を訪ねたグループは、11月3日に再会館を迎える「サンファン館」へ。大津波を乗り越えたサン・ファン・バウティスタ号の復元船の話も伺いました。

 

 

一方、石巻市内の街なかでは、午前中は複数の「震災語り部」の皆さんにご協力いただき、この場所に起こった出来事に耳を傾けていました。PBVでは何かとお馴染みの萬代好伸さんも、ピースボートセンターいしのまきを会場に、ご自身の体験を語ってくださいました。

 

午後は、少人数に別れ、実際に街なかを散策。案内役の一人「ISHINOMAKI2.0」の松村豪太さんは、石巻寄港前のクルーズにも部分参加をして、たくさんの講座やワークショップを行ってくださいました。街歩きの案内役は長期で支援活動に関わってきたスタッフの岩元暁子も担当。
また、一角ではコモンビートのメンバーによる芋煮の炊き出しも。美味しい芋煮を、ご馳走様でした。

 

石ノ森萬画館のある中瀬では、何やらラジオ体操をするグループが。いしぴょんまで参加しています(^^)
震災以降の災害ボランティアを少しでも体験してもらおうと、石巻でのピースボートの代名詞代わりの青いビブスを身に付けての作業です。

 

石巻まちなか復興マルシェにも、人だかりが。普段営業している店舗だけでなく、特別に出張オープンしてくれたお店も。ツアーだけでなく、自由行動で散策していた人たちも、買い物することで地元経済を少しでも元気付けられればと、たくさん集まってきたようです。

さらに、このマルシェでは、シンガーソングライターのMetisさんによる特別復興支援ライブも。Metisさん、ありがとうございました!

 

残念ながら、牡鹿半島で漁師の皆さんと交流したプログラムや松島の観光ツアーにはカメラマンが同行できませんでしたが、アンケートからはそれぞれ充実したものだったことが伝わってきました。

さて、港に戻ると、出港に向けたセレモニーが始まっていました。踊りや太鼓、獅子舞など、様々な伝統芸能によるお見送りです。

 

そして、再び約800名の参加者を乗せ、船がゆっくり動き出します。
たくさんの方々に見送られ、美しい姿のオーシャン・ドリーム号は、夕暮れに消えていきます。

 

 

素敵な1日でした。
何度言っても言い足りませんが、ご声援・ご協力いただいたお一人おひとりの皆様、本当にありがとうございました!

 

 

※翌日、「第80回ピースボート 地球一周の船旅」は無事横浜港に到着、85日間の航海を終えました。

 

photo by Tomoyuki Kondo, Mitsutoshi Nakamura, Kazushi Kataoka