【台風18号/滋賀】活動レポート

9月16日は、PBV東京事務局で、この夏に実施した水害への緊急支援の報告会を行う予定でした。しかし、この日、大型の台風18号が日本に上陸、広範囲で被害をもたらしました。報告会を中止し、再び水害への緊急支援を立ち上げることになりました。

先遣スタッフが近畿地方各地を回る中で、滋賀県甲賀市の災害ボランティアセンターから支援の応援希望をいただいたこともあり、PBVでもボランティアの募集を開始。短い期間ではありましたが、51人(日別総活動人数)で、家屋の清掃活動などをお手伝いさせていただきました。


甲賀市社会福祉協議会の田代さん(右)と、西伊豆町、山口市・萩市でも活動したボランティア・コーディネーターの垣貫(左)。

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9月後半の三連休を前に、先遣調査で福井、京都、滋賀の災害ボランティアセンターを訪れました。連休中に参加するであろう沢山のボランティアの受け入れのため、各センターでスタッフの皆さんが忙しく走り回っていた姿が印象的でした。連休後の人手不足を懸念した甲賀市災害ボランティアセンターから連絡をいただき、それに応える形で甲賀市信楽町での支援を開始しました。

活動の中で、地域や住民の状況を細かく把握し、どういったニーズがどのタイミングで出てくるのか予測し対応をしているボランティアセンターの力に驚きました。センターのスタッフ、民生委員、自治会等、地元の様々な組織や個人のつながりを上手く発揮していて、お手伝いに入った私たちの方が背中を押されたように思います。

急な呼びかけ、また短期間の活動だったにも関わらず、1日15名近くのボランティアが参加してくれました。山口や岩手での支援に引き続き参加していたボランティアもいて、現場での活動を担当する度に、PBVとしてのボランティア・ネットワークが強まっていることを実感しています。

ボランティアに参加してくれた皆さん、街頭募金や寄付でご協力いただいた方々、甲賀市役所、甲賀市社会福祉協議会をはじめ、私たちを快く受け入れていただいた甲賀市の皆様、本当にありがとうございました。

滋賀県甲賀市 台風18号緊急支援
ボランティア・コーディネーター 垣貫紀彦

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以下、活動の場面をご報告します。

東京を出発前のボランティアバスならぬ「ボランティアワゴン」。現地合流も含め、毎日15名前後のボランティアが応援に駆けつけてくれました。

 

先遣調査などの初動を担当したプログラム・オフィサーの上島。

 

リーダートレーニング修了者の大学生・松下泰樹さん(右)。夏休みを利用して、西伊豆町、雫石町でも活動に参加してくれました。

 

浸水に加え、土砂崩れなどの被害も。信楽高原鉄道は現在も運休中で、臨時による代行輸送が続いています。

 

あちこちに可愛らしい狸の焼き物が。この地域は「信楽焼」の里。

 

災害ボランティアセンターには、毎日40人ほどの個人ボランティアが参加していましたが、20日~23日の三連休をピークにボランティア数が減少。その状況をカバーすることが、今回の支援活動を決めた要因でもありました。

 

甲賀市での浸水被害は240棟以上。家財道具などを外に出してから、屋内の清掃。一人暮らしや高齢世帯へは大きな負担になっていました。毎日の作業は、地域の個人ボランティアの皆さんと一緒のグループで動きました。

家財道具の運び出しから、床板をはがしての床下泥出し。腐敗や臭いを防ぐため、消石灰を巻いてから床板を戻します。

 

活動終了後に、地域の赤十字奉仕団の皆さんがボランティア用におにぎりと豚汁を差し入れしてくださることもありました。美味しかったです。ご馳走様でした。

 

 

 

 

この夏は、たくさんの災害に直面しました。地球温暖化の影響で災害の頻度が増えていると言われますが、本当なのかもしれません。

また、意識的に選んできたわけではありませんが、東日本大震災以降に緊急支援を実施してきた地域のほとんどは、過疎や高齢化の課題を抱えている地域でした。世界的に見ればまだまだ「防災大国」と言われる日本ですが、若者たちの人材育成など、将来に向けた新しい取り組みを急ぐ必要性も感じています。今後とも、ご支援ご協力のほど、よろしくお願いします。