「防災トレーニングキャンプ」 2日目レポート

キャンプ2日目は、早朝の特別オプションからスタート。

急遽追加した早朝プログラムにも関わらず、10人以上が参加してくれましたが・・・

視線の先は、キャンプ前日からスタッフが準備していた仮設トイレや仮の手洗い場など。避難所はもちろん、ボランティアの宿泊場所もたくさんの人が生活する場所。仮設トイレの給水方法や明かりの設置、資機材の管理など、名付けるなら「裏方スタッフ講習」とでも呼ぶトレーニングでしょうか。
見落としがちですが、こういった縁の下の力持ちの存在は欠かせませんね。


灯油バーナーの着火方法や発電機の使い方講習も。

 

 

朝食後は、モンベルの半田さんによる「実践 野営塾」。

新潟中越沖地震の頃から、複数の災害支援の現場でお世話になっているモンベルは、「アウトドア義援隊」に代表されるように、登山やアウトドアのノウハウを積極的に災害支援にも応用しています。テントや防災グッズの紹介、ロープワークなど、少しの知識や備えでできるアイデアがたくさんありました。

 

講習の最後は、炊き出し。

トレーナーは、石巻で半年以上に渡って炊き出しを担当してきたPBV北村和美。
普段、自宅で炊事をする人も、発災時の炊き出しは勝手が違います。野外での衛生管理や使用する調理器具、限られた食材や調味料、水での大量調理、配食や片付けに至るまで、担当チームごとに話し合いながら進めてもらいました。

※今回の食材の一部は伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社さんより提供いただきました。

 

 

すべてのプログラムを終えたら、フィードバック。

参加者からよく聞かれたのは「想定と現実の違いを想像することができた。今後、家族や友人を守るため、地元や職場で取組みを行っていきたい」といった感想。中には「次は、もっと不便でシビアなな環境での宿泊型トレーニングを開催してほしい」といった声も。

今回は第1回目の「防災トレーニングキャンプ」ということで、準備や運営に関わったスタッフもたくさん学ぶところがありました。次回開催に向けて、さらにプログラムの改良を続けていきたいと思います。
今回は都合が悪く参加できなかった皆さん、次回はぜひお待ちしています。

 

 

最後に、震災語り部の萬代さんの言葉から。

「まずは“自分が生きること”。

人を助ける前に迷惑を掛けないよう自分が“生きて”、次に人を助けること」

 

 

※萬代さんは、被災した自分にできることを考えた結果、特に石巻にボランティアに来た若者たちへの語り部を大切にされてきました。少し時期が遅れましたが、そういった想いも記してくださった「3.9レター」をいただきました。こちらも、ぜひご覧ください。

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ピースボートのボランティアの皆様へ

 

信じられない揺れと津波!!その自然の猛威に、我々は成す術も無く、只呆然と立ち尽くし、途方に暮れるばかりでした。

路頭に迷いながら、ひたすら不安な日々を過ごす我々に「大丈夫ですか?」と声を掛け、優しさに満ちた手を差し延べてくれた人々がおりました。

テレビの映像を観て、「居ても立っても居られない!!」そんな想いで全国から支援に駈け付けてくれた、ボランティアの皆様方です。

見ず知らずの街に、見ず知らずの人々の為に、水や食糧を持参し、寝床となるテントを持って、長きに渡り風呂にも入らず、酒も呑まず、娯楽もせず、街をキレイにしようと、只ひたすらにガレキやヘドロと奮闘する姿に、我々は生きる為の術と力を与えて頂きました。

そんなボランティアの皆様の姿を「人の優しさ」と言わぬなら、何と言うのでしょう?
「人の温もり」と言わぬなら、何と言うのでしょう?

全てを失った我々に、故郷再生への愛と勇気と心意気を与えてくれたボランティアの皆様に、改めて「ありがとう」を捧げたいと思います。

 

石巻在住 萬代好伸

 

 

最後に、今回の「防災トレーニングキャンプ」開催にあたり、ご協力頂いた皆様にお礼申し上げます。

【主催】 ピースボート災害ボランティアセンター
【協力】 秩父消防署北分署、(株)モンベル、WMAjapan、伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
【協賛】 Church World Service-Asia/Pacific