ピースボートの炊き出しは、ほかの団体とのスケジュール調整の元、配布地域と数を決めています。
本日の配布地域は8箇所・昼夜合計1000食!「キッチン」チームが心をこめて作ったご飯とおかずを運びます。本日は栄田町の炊き出しと物資配布=「デリバリー」チームに密着取材です。
「デリバリー」チームは、担当地区でお配りする物資を準備します。倉庫から、その地域で必要とされている物資を持ち出し、車へと積み込んでいきます。どん なものを持っていくべきか、これは事前に住民の方から聞いてきたニーズと、全国から集まる支援物資の在庫状況などが重要なポイントです。
物資を積み込んだら、キッチンで出来上がったご飯とおかずを積み込みます。栄田で必要な食数は150食分。途中で崩れたりこぼれたりしないように、最新の注意を払って積み込み完了!
到着したらすぐに配布準備に入れるように、看板なども事前に作成です。今日の配布物資と、炊き出しのメニュー表が完成。メンバーの似顔絵まであっという間に描いちゃいました。
石巻専修大学を出発して車で約20分、栄田に到着。連休のためか道路が混んでいて、いつもよりちょっぴり遅い到着でした。ここでの配布場所は、阿部常酒店さんの店先をご好意で貸していただいています。さぁ、地域の皆さんが到着する前に、急いで準備開始です。
物資配布の準備も同時進行で行うため、今日の物資リストを張り出しています。いわしの缶詰・キャベツ・長靴・タオルなどなど・・・。取っていただきやすいように並べて、設置完了。
準備を終えて、いよいよ配布開始です。町内の皆様にお知らせする声が響きます。
「こんにちはー。ピースボートです。お昼の炊き出しと、物資の配布を行っています。阿部常酒店さんにお越しください!」
声を聞いて、ご近所の皆さんが集まってきました。
「長靴あるの?助かるわー。瓦礫片付けなきゃいけないからね。24cmのまだある?」
「タオルは何枚あったって困らないからねぇ。もらっていくよ。」
久々に会う近所の方同士の会話も弾みます。並んでいる間に生活情報の交換も。
「何か不足しているものはありませんか?」
次に物資を持ってくる際の参考に、皆さんにニーズも聞き取り調査も欠かせません。
「この辺りはね、津波でみんなひどくやられちゃったよ。ほとんどの人が避難所に入っている。でも最近ちょっとづつ、家の片付けの為に帰ってきてるね。」
阿部常酒店のお父さんが教えてくれました。
ガスはまだ復旧の見込みたたず、水は給水車からの供給、電気は復旧している家とまだのところが混在するこの地域はまだまだ生活を立て直す見通しが立ちません。
炊き出しのニーズも多く、今日は150食が一時間も経たないうちに終了しました。
「どっから来たの?まぁーそんな遠くから」
「ありがとうね、本当に助かってます」
そんなお声を聞くたびに、明日も一人でも沢山の方に美味しい食事を手渡したい、そんな思いを新たにするデリバリーメンバーなのでした。