【発災から5ヶ月】2024年石川県能登半島地震、継続支援中

2024年1月1日に発生した、石川県能登半島地震から5ヶ月が経ちました。ピースボート災害支援センター(PBV)は発災直後に現地入り。現在は珠洲市と輪島市にて、現地の団体や関係機関、支援団体と連携しながら支援活動をおこなっています。

<発災後の動き>

1月2日 PBVスタッフ数名を現地に派遣
1月3日 炊き出し、物資配布開始
2月2日 災害ボランティアの登録開始

※詳細な活動また先月までの活動のようすは、下記のレポートをご覧ください
 ⇒ 発災から4か月レポート

 

発災から5ヶ月の動き

キッチンカーを利用した取り組み(珠洲市)

昨年から実施しているPBVの新プロジェクト「フードハーバー」。キッチンカーを活用し、災害時には被災地での炊き出し支援、平時にはひとり親家庭への物資支援(フードバンク)をします。

この度の地震で大きな被害のあった珠洲市で、そのキッチンカーを利用して新たな取り組みをはじめました。
 
震災当初、道路の寸断により孤立してしまい、支援がなかなか行き届かなかった珠洲市大谷地区。5月に入っても、地区に1軒しかなかったスーパーが被災してしまい、買い物は市街地まで30分以上山道を抜けていかなければなりません。そこで、物資等を配布する支援拠点と並行し、常設型のフードバンクとして、キッチンカー内で物資配布を実施することにしました。

珠洲市社会福祉協議会のご協力のもと、大谷地区の中心に位置する波の花デイサービスの駐車場をお借りしました。

5月6日に、無人物資支援配布拠点「フードハーバー」利用のための説明会を実施。
​暗証番号を入力することでキッチンカー内に入ることができ、登録した住民の方が食料や日用品など、生活に必要な支援物資をいつでも受け取ることができます。説明会に参加された住民の方々からは、「ここまで支援に来てもらえるのはありがたい。未だに水も出ないし、買い物行くのも一苦労だから」「こんなの初めてでドキドキする」などの声が聞かれました。
 

支援拠点の継続&新拠点設置(珠洲市)

珠洲市では引き続き、街の中心にある道の駅「すずなり」のを一角をお借りし、毎週木・土・日曜日に災害支援拠点を設置しています。食品・お水・災害時用トイレなど支援物資の配布支援情報の提供のほか、住民の方々のお困りごと・相談などコミュニケーションの場を設けています。
 
 
5月12日は、ラーメンやお水、ウエットティッシュ、非常用トイレ、おむつ、温かいコーヒーなどを提供しました。在宅で避難されている方たちのご自宅は、まだまだ上下水道が通ってないところがあります。お水や非常用トイレを必要とされている方が多くいらっしゃいました。
 
 
 
 
さらに5月からは、同じく珠洲市内の道の駅「狼煙」にも災害支援拠点を設置しました。駐車場をお借りしています。
 
 
避難所が解消していくことによって住民の方々が集まる機会が減ってしまったとのこと。支援拠点への訪問をきっかけに、久しぶりに顔を合わせられた方も多かったようです。
「久しぶり、元気だった?」
「最近どう?片付け進んだ?」
「こうやって会えるの、嬉しいね」
​と、会話に花が咲きます。
「狼煙」の支援拠点には、珠洲市社会福祉協議会が運営するささえ愛センターから職員さんが来てくださり、住民さんからお困りごと等の相談を受けられています。
 
 
また、物資配布においては、今も飲料水の需要が高く、物資を取りに来られた方のほぼ100%が飲料水を持って帰られます。「通水はしたものの浮遊物があったり濁っていて、まだ飲料水には使えない」という声も。これから夏に向けて気温が上がるので、熱中症や脱水症状が心配です。また、家が倒壊してしまい夏服がない方々もいらっしゃるので、肌着や靴下、ズボンなどの配布も行いました。
 

浄水装置の移設(輪島市~珠洲市)

​浄水装置を設置していた輪島市もんぜん児童館周辺の水道がほぼ復旧したことにより、設備を珠洲市清水町(大谷地区)に移設しました。未だ水道が使えない地域が多い珠洲市では、まだまだ水の支援も必要です。
 
 


この支援は、「災害時緊急支援プラットフォーム(PEAD)」さんのご支援、そして「災害NGO結」さんのご協力によって実現できました。

お風呂のオープン(輪島市)

​輪島市では、仮設住宅への入居が徐々に進むなか、現在も44か所の避難所で850人以上の方が長期にわたる避難生活を続けています。また、水道復旧を待つ在宅避難者の方々もいます。そんななか、発災直後から自衛隊による入浴支援により多くの方が助けられてきましたが、輪島市の自衛隊による入浴支援は、5月28日をもって活動終了となりました。
 
しかし、避難生活の中、まだまだお風呂を必要とされている方は多くいます。PBVは市と相談しながら、引き続き町野地区の入浴支援を実施することになりました。
5月30日のオープンに向け、被災された地元業者の方々にもご協力いただきながら、皆さんと新たなお風呂の準備を進めました。
 
 
 
お風呂の名前は「まちのの湯」です。​
オープン初日は晴天。1人、2人とどんどん住民の方がお越しくださいました。
早速、入浴された方からは、
「1番風呂やわ〜、嬉しい〜」
「湯に浸かって久しぶりにゆっくりみんなと話せたわぁ~」
「やっぱり、あっつい風呂が1番やねぇ」
「明るい雰囲気で、掛け流しで最高だね」
「また、明日もくるわ!」​
などのたくさんのお声を頂戴しています。
 
 
受付まで聞こえてくる住民の皆さんの喜びの声と帰り際の笑顔に、私たちも嬉しい気持ちでいっぱいです。
これからの運営はPBVだけでなく、地域の雇用創出にも繋がるよう地域住民の皆さんとさらに工夫しながら一緒に創り上げていきたいと思います。
 
 

▼お風呂の様子はこちら

 

月命日に……笑顔広がる

​5月1日のこと、大谷地区波の花デイサービス支援拠点に、色とりどりのカーネーションが届きました。
 
 
2019年の台風で被災された千葉県の笹子園芸さんから届いたものです。被災後、PBVが支援させていただいたご縁から、2022年の宮城県沖地震の際も山元町にカーネーションを提供していただくなどのご支援をいただいています。

段ボールを開けた瞬間、近くにいた住民さんから「わぁ、きれい!」と歓声があがりました。自然と周りに人が集まり始め、明るい話し声と優しい笑顔にパッと明るくなります。
「お花を買う余裕も、飾る余裕もなかったから、家に飾って楽しもう」
「地震で亡くなった家族にお花を手向けてくる」
カーネーションが笑顔を運び、気持ちを前向きにしてくれました。
 
 
 

スライドショーが完成しました

PBVは1月2日に現地入りしました。
発災後からこれまでのPBVの支援活動の様子をスライドショーにまとめました。動画内で流れる歌は、PBVが給食を作りつづけてきた珠洲市の小学校の生徒たちから「お礼に」とプレゼントいただいたものです。

ぜひご覧ください。

 

今後の支援予定

現在、毎日のようにいくつもの関連団体と、被災者状況の共有や課題、解決方法を話し合いながら活動を進めています。

これまでの活動のようすを30以上のメディア(新聞・ラジオ・ネットニュース・配信番組など)で取り上げていただいています。動画・写真・インタビューなどにて紹介されており、アーカイブもご覧いただけます。
 ⇒ メディア掲載情報はこちらよりご覧ください。

今後は中期的な支援のために、被災者の生活再建に関わる「コミュニティ形成(サロンの実施など)」「備品の提供(仮設備品支援など)」に力を入れていきます。

そのほか状況に応じて、「被災家屋の応急対応・保全」「避難所運営サポート」「災害支援のノウハウ提供や支援調整」「災害ボランティアセンター運営サポート」など、地元の団体や関係機関、支援団体と連携し、現地のニーズに合わせた支援活動を検討していきます。

 

長期的なご支援をお願いいたします

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今後の長期にわたる支援は、継続的に支えてくださる「災害支援サポーター(マンスリーサポーター)」のお力が大きな助けとなります。ぜひ、長期的なサポートにご協力お願いします!

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