ピースボートクルーズが4年ぶりに石巻寄港

2023年7月30日、ピースボートクルーズが4年ぶりに石巻に寄港しました。ピースボートが新たにチャーターした客船「パシフィックワールド号」での入港でした。

客船誘致に力を入れている石巻。しかし、コロナ禍で客船の寄港が途絶え、苦しい状況が続いていました。

今年、ようやく規制が緩和され、新型コロナ発生以降でピースボートクルーズが石巻に寄港する最初の外航船となりました。

 

 

15階建ての大きな客船が近づいてくると、大漁旗よるお出迎えやジュニアジャズオーケストラによる演奏で大歓迎してくれました。歓迎のセレモニーには、石巻圏域の首長たちが参列し、代表して石巻市長から挨拶がありました。

 

 

 

 

 

 

 

雲一つない晴天の中、乗船者の皆さんは、石巻市内や松島、東松島、女川などに向けて出発していきます。世界の三大漁場のひとつ三陸沖が育んだ海鮮を楽しみにしている人も多くいました。

 

 

東日本大震災の記憶と教訓を学ぶため、震災伝承のツアーも実施しました。

壊滅的な被害を受けた南浜・門脇地区は、復興祈念公園として綺麗に整備されています。震災伝承のツアーに参加された方たちは、震災遺構「門脇小学校」震災伝承交流施設「MEET門脇」「みやぎ東日本大震災津波伝承館」などを訪れました。

 

 

 

長年、伝承活動を続けている311メモリアルネットワークの皆さんがガイドとなり、震災当時の話や教訓に耳を傾けました。津波と火災の被害を受けた門脇小学校は震災遺構として保存されています。燃え残った校舎や教室の生々しい様子には圧倒されます。そこに確かにあった子どもたちの学びの場が感じられます。

 

 

 

 

 

MEET門脇は、アニメーションを使って子どもが興味を持って学べるように工夫がこらされています。被災された家族にはそれぞれの物語があります。子どもを亡くした親御さんの想いが、遺品とともに展示されています。

 

 

 

 

 

 

今回の日本一周クルーズは、夏休みということもあり200人以上の子どもたちが乗船していました。子どもたちは、マンガの街・石巻で街に点在しているキャラクター探しや「石ノ森萬画館」も楽しんでいました。

 

 

 

 

あっという間に一日が過ぎ、皆さんこんがり焼けて船に帰ってきました。

 

 

 

 

 

 

出港は東松島の太鼓の音が響くなか、船が離岸すると港に轟く打ち上げ花火で見送ってくれました。準備や受け入れをしてくださった石巻の皆さん、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

写真:鈴木省一