2022年台風15号支援レポート@静岡【前半:コミュニティ支援】

2022年9月23日の夜から翌日にかけて、台風15号の影響によって線状降水帯が発生。東海地方が記録的な大雨に見舞われました。静岡県では記録的短時間大雨情報が続き、複数の地域で警戒レベル5の「緊急安全確保」も発令されました。静岡県によると、この大雨の影響で9,682件の被害(床上浸水5,647棟、床下浸水4,035棟)が発生しています(12月26日時点:静岡県危機報道官発表)。

 

 ▶ 9/23発災~10/8地域支援実施までの初動レポートはこちら

 

9月28日以降、PBVスタッフのべ9名が静岡市に支援に入り、様々な支援を継続的におこなってきました。

 

コミュニティ支援

コミュニティ支援では、被災された住民さんが気軽に困りごとを相談したり、ちょこっと立ち寄ってお茶を飲みながらほっとした時間を過ごせる場を提供してきました。


 

きっかけは、社会福祉協議会(社協)さんから

「災害ボランティアセンターの周知を住民さんにしたいが、協力してもらえないか」

という相談でした。

被災された住民さんに支援の情報がなかなか届かない、ボランティアなど支援の形はあるのに必要な方にうまく繋がらないという状況を、少しでも解消できるよう、被災された地域で住民さんたちが集まる場を作り、支援情報の提供ができるようにしました

 

静岡市葵区、清水区の被災地域で、社協さんや地域の方のご協力のもと、お茶を飲みながら、お話しができるサロンを実施。近所の方や支援者と話をする中で、発災時のことや自宅の被災状況の話題になることもしばしば。

 

「家の中に水が入ってきたけど、どうしたらいいかわからない」

「床上浸水で、1階のものが濡れてしまい、洋服やタオルなど全て捨ててしまった」


など、会話の中に住民さんたちの不安や困りごとがたくさん出てきます。

 

「困っているけど、誰に相談したらいいかわからない」
「どんな支援があるのかわからない」

そんな時に、「片付けのお手伝いをしてくれる災害ボランティアセンターはご存じですか」と声をかけ、災害ボランティアセンターの支援についてお話しをし、スタッフが災害ボランティアセンターに繋いだり、支援相談窓口の紹介をするなど、困りごとに応じた対応をしました。

また、住民さん、地域の方との会話等の中から、どんな支援が必要なのかを汲み取り、物資支援やイベントなどの催しなどを行ってきました。ときには怖かった体験や不安なことを話すことで、気持ちをすっきりさせて帰られる方もいます。

 

終わりの見えない片付けや掃除で体調を崩されたり、罹災証明書を受けとったものの、これからの生活再建の判断に迫られ不安になったりと、住民さんの不安は尽きません。

発災から今まで、片付けや被災の手続きに走り続けてきたからこそ、ちょっと一息つける時間、安心できる場所が必要なのだと思います。

 

PBVのコミュニティ支援では、困りごとを気軽に相談できるような雰囲気、気軽に立ち寄れる場所を作り、少しでも心休まる時間を過ごせるよう心掛けてきました。
住民さんの声を聴き、被災された方々の気持ちに寄り添った支援のを行うことの大切さ、必要性を実感しています。

 

 

支援物資の配布も行っており、静岡市社会福祉協議会や、緊急支援時の物資提供を行うSEMAと連携企業、連携団体の協力のもと、集まった物資をお届けしています。報道が少なく、支援の手や物資が行き渡っていない状況もあり、住民の方々からは喜びや安心の声があがりました。

「車が水没して買い物に行くのも大変だったから助かる」(70代女性)


「子育てをしながら被災した家の片付けをするのは大変。パッと食べられるものがいただけるのは助かるし、安心する」(3人の子を育てる主婦)


「家の修繕、水没した家電や車などにお金がかかる状況。食品や生活雑貨は毎日使うものなのでとても助かる」(80代男性)


「物資をいただいたり、ボランティアさんに片付けを手伝ってもらったりしてるのだから、自分も頑張ろうと思った」(50代女性)

 

また、水害やコロナの流行により、子供会や地域のサロン活動の回数も少なくなってしまい、地域の方との交流が減ってしまって寂しいという声がありました。

そこで10月31日にはハロウィンパーティーを実施。スペシャルゲストとして福島カツシゲさん(コメディアン)長谷川紀子さん(ちびっこダンス講師)をお呼びし、盛り上がりました。

 

11月中旬頃からは、地元の団体「しずおか茶の国会議」さんにご協力をいただき足湯を実施。身体がポカポカ温まってリラックスできると住民さんに喜ばれました。

 

12月上旬、被災地NGO協働センター企画「内宮町 災害後の生活再建、内宮町のまちづくりを考える無料相談会」に参加協力をさせていただいた際に、PBVからは豚汁の提供をおこないました。

 

ほか、被災されたグループホームにて、お茶会や足湯、物資提供を実施。クリスマスやお正月の歌を歌ったり、クリスマスの飾りを作ったりして楽しみました。

 

【後半:家屋等、技術支援】へ続く