女川町の仮設住宅へ生活用品支援

被災から3ヶ月という時間が過ぎ、多様化する被災地のニーズに答えるため、現在ピースボートが行う支援活動の内容も多岐に渡っています。

その中から今日は「仮設住宅生活支援」をご紹介します。

ご存知のように、各被災地域では学校の体育館などの避難所から仮設住宅への移行が始まっています

各NGOやNPOでは、担当地域を割り振り各地域の仮設住宅へ生活設備支援などを行っており、ピースボートでは石巻市から30分ほど離れた女川町の仮設住宅の生活支援を担当しています。

女川町は合計で1300戸ほどの仮設住宅の建設が予定されており、ピースボートではこれまでにおよそ250戸ほどの仮設住宅へ生活支援物資の搬入を行ってきました。

今日は、女川町清水地区にある94戸の仮設住宅へ、布団やブランケットなどの「寝具」「掃除・洗濯用品」「台所用品」「日用品」などの生活支援物資を、スーパーの「SEIYU」でおなじみの「合同会社 西友」様にご提供頂き、搬入してきました。

女川町清水地区の仮設住宅地
女川町清水地区の仮設住宅地
どーんと届いた生活用品
どーんと届いた生活用品

この地区の仮設住宅は94戸。入居予定者数は250名となっています。

入居者は明日にも抽選で選ばれ入居が始まるとのことで、迅速且つ丁寧に物資の搬入を行っていきます。

まずはトラックから布団、寝具、掃除洗濯用品、台所用品、日用品等を荷降ろしします。

新しい生活を彩る大切な物資。落としたり汚したりしないようにいつも以上に丁寧に運びます。

整然と立ち並ぶ仮設住宅の前に搬入する荷物を置いていきます。
整然と立ち並ぶ仮設住宅の前に搬入する荷物を置いていきます。

続いて物資を各住宅内に搬入します。

ダンボールに入った物資のバラシ、テーブルの組み立ても終わらせます。

そして次は布団などの寝具一式。

皆さんがこの布団で安眠している姿を思い浮かべながら張り切って運びます。

この布団は、他の地域でも物資を提供している「WORLD VISION」様からのご提供。

布団にはひとつひとつメッセージも添えられています。

3ヶ月にも及んだ避難所生活では、食事時の家族の団欒も難しい環境でしたが、これからは一つのテーブルを囲み、家族ごとのプライバシーも守られた生活に移ることができます。

僕たちも、先月まで2ヶ月半に渡るテント生活の経験から「屋根」と「壁」があることの安心感を身にしみて感じているので、避難所から仮設住宅へ移られた被災者の方々の気持ちを想像すると、搬入にも自然と気持ちが入ります。

テーブルに調理器具一式。全部ピカピカの新品です☆

そして郵便ポストには「転居届」が入っています。

いろいろな思いを巡らせながらの搬入作業も無事終了

最後は、搬入物資をバラしたあとのダンボールを敷いてつかの間の休息。

計40名のボランティアのみなさん、お疲れ様でした

こうして仮設住宅の建設と、そこへの移行が進んでいくのは、復興への第一歩であり喜ばしい事なのは間違いありません。

しかし、仮設住宅はあくまでも「仮設」です。

現在、被災地の仮設住宅を取り巻く現状の中には「当たっても移動しない」ということが起りはじめています。

これは、端的に言うと「仮設住宅へ移動した後の支援策を提示できていない」事による今後の生活への不安からです。

避難所に居れば受けることの出来た、安定した食事の提供などを含め、仮設住宅へ移動した後のフォローアップをどのようにしていくのか。

また、阪神大震災の後に仮設住宅で頻発した「孤独死」の問題など、打たなければならない対策は山積しています。

その中で僕たちに出来る支援はどういったことなのか、日々模索し続けています。

ALL PHOTOS BY [CHIGA KENJI]