震災で犠牲となった、アメリカ人外国語指導助手のテイラー・アンダーソンさん。市内の7つの学校で英語を教えていた彼女が大好きだったという石巻市に、9月8日ご遺族の4名が訪れました。
ピースボートでは、ボランティア活動に参加したいという一家の意向を受け、新館地区で一緒にクリーン作業を行いました。テイラーさんのお父さんのアンディさんに、今回の来日やボランティア活動に参加しようと思った理由などを伺うことができました。
インタビューに答えてくれたアンディさん。冗談を言って笑わせてくれるような明るい方でした。
Q:
まず、テイラーさんが亡くなられたことにお悔やみ申し上げます。
今回の来日の目的を伺えますか?また、来日は何回目になりますか?
アンディさん:
来日は3回目になります。初めて来たのは去年の3月で、娘と石巻で会った後、京都や奈良を家族で観光しました。2回目は震災の直後、そして今回です。
今回の目的はいろいろありますが、一番には、娘(テイラーさん)と親しかった近所の方や地元の皆さん、それに彼女の生徒たちとふれあって、思い出を語りたいと思ったことですね。
Q:
3回目ということですが、それぞれで石巻の印象はいかがですか?
アンディさん:
震災直後に来た時は、信じられないというか何も考えられない状態でした。一瞬で全てを破壊した津波の威力が印象的で、自然の力に圧倒された思いでした。
半年という時間が経ち、街は少しずつ復興していることはもちろん感じています。娘が大好きだった石巻は、私たち家族も大好きで大事な場所です。
Q:
今回クリーン作業に参加しようと思った理由や想いを教えてください。
アンディさん:
テイラーは石巻、そして日本が大好きでしたから、もし震災から生き延びていたらどういう行動を取っているかを考えました。きっと、苦しい状況にある地域の皆さんのために一生懸命頑張っているだろうと思い、私たち家族も同じく、少しでも力になれるようにできることをしたいと思ったのです。短い時間の中でやれることは限られたものですが、私たちの活動が住民の皆さんの励みになり、癒しになり、石巻そして東北の少しでも早い復興に繋がればいいなと願っています。
Q:
最後に、石巻や日本に対してなど、何かメッセージがあればお聞かせください。
アンディさん:
テイラーは日本が大好きです。それは家族も同じです。だから、非常に悲しくもありますが、できるだけ早い復興を祈っています。この場所にはテイラーの魂が残っています。彼女の意志を継ぎ、私たち家族も少しでも貢献して、皆さんが元の生活に戻れるように力になりたいと思っています。
明るくパワフルなアンダーソンさん一家(手前の列右端はアテンドを務めた宮城県庁職員のキャメロンさん)。
「テイラーのために」 「テイラーだったらどうしているか」 「テイラーが好きだったから」
アンディさんがインタビュー中に繰り返し話していたテイラーさんへの愛情溢れる想い。深い悲しみの上に立ち、早期復興への強い決意を語るアンダーソンさん一家の姿に心を打たれたインタビューでした。
All photos by Mitsutoshi Nakamura