【台風15号・19号支援 千葉】被災地で待ってる人がいる その1

 

 

日常では、演出家や脚本家、コメディアンなど多方面で活躍されている福島カツシゲさん。国内で災害が発生すると、忙しい仕事の合間を縫って災害ボランティアとして活躍しています。今回は、台風15号と台風19号の被害を受けた千葉県鋸南町へ駆けつけてくれました。

福島カツシゲさんによる現地レポートを2回に分けてお届けします。

 


 

 

千葉県鋸南町(きょなんまち)は、北に木更津や君津、南に南房総や館山というメジャーシティーに挟まれた小さな町ですが、天気のいい日には、東京湾を挟んで正面に三浦半島がハッキリ見え、その先に富士山も見えます。

 

 

 

 

ちなみに、鋸南町の「鋸」は、ノコギリと読みます。ノコギリ山の南に位置してる町なので鋸南町だそうです。鋸山には「地獄のぞき」という場所があります。これから報告する高所作業と通じるものがある場所です。

 

 

 

 

たぶん魚の美味しい町なんだろうと思います。というものの鋸南町にいる間、まだお店に入って刺し身を注文するまでには至らないのですが、地域に根ざしたスーパー「ODOYA」のお寿司コーナーにあるパックのお寿司のクオリティーが、すでに高かったので、きっと美味しいハズだと確信しています。そして、KYONAN BEERという地ビールも作っている町です。

 

 

 

 

そんな鋸南町が、台風15号で大きな被害に遭いました。多くは屋根の瓦が飛ばされたり割れたり、トタンが剥がれてめくれたりという被害です。鋸南町に着いて、まず大黒山という小さな山に登りました。ここからの風景は、熊本地震の時の風景と重なりました。多くの家の屋根がビニールシートで覆われています。

 

 

 

大黒山からの写真では分かりづらいのですが、近くで見るとブルーシートは、剥がれていたり破れていたりします。台風15号が通り過ぎた後、自衛隊の人や住民たちで、なんとか屋根にブルーシートを掛けたのですが、わずか1ヶ月後に襲ってきた台風19号の雨と風で、フリダシに戻ったお宅がたくさんありました。

 

 

今回の台風での被害は、すぐに雨漏りに繋がりました。雨漏りというと少し響きが優しいですが、一滴一滴水が漏れてるというような状態ではなく、部屋の中で雨が降ってるような漏れ方です。当然家具や電化製品も使えなくなり、家の中はカビだらけになります。

 

台風19号の後も、何度も雨が降りました。ビニールシートで覆うのは、時間との闘いになってきます。すでに時間との闘い真っ只中です。ズレたり飛ばされたビニールシートを、自分たちの手で覆うことで、なんとか凌いでいる人、雨が降ってる部屋の濡れない場所で過ごしている人、どうすることも出来ずに家から離れて暮らしている人など様々です。

 

 

 

その鋸南町で、10月19日から21日の3日間、屋根の補修という高所作業の活動をしてきました。まだまだだと、本当にまだまだ終わらないと思いながら帰京したのですが、翌日の10月22日をもって鋸南町災害ボランティアセンターが閉所しました。すべての屋根の補修が完了したからではありません。雨漏りによって使えなくなってしまった大切な家具や家電などの「瓦礫」と呼ばれてしまったモノの運び出しが終了したというお知らせでした。

 

しかし、最後の一文にこうありました。
「なお、10月23日(水)からは「復興ボランティアセンター」に移行して、相談の受付けを行います。また、ブルーシート張り等の特殊作業系の依頼については、まだまだ多くの継続依頼件数がありますので、復興ボランティアセンターに移行後も引き続きボランティアの対応を行ってまいります。」と。

 

 

 

本来なら、このブログを読んでくれてるみなさんに「一緒に活動しましょう!」と呼びかけたいのですが、今回の屋根修復という活動は、高所作業のため、誰でもWelcomeというワケにもいかず、「時間があったら是非来て!」とは、なかなか呼びかけにくい活動です。まず、危険だということが一番です。

 

 

 

 

 

災害ボランティアは業者ではないので、屋根の修理は出来ません。あくまでも屋根を修理してもらうまで雨漏りしないように補修するのが大きな目的です。本格的に屋根を修理してもらうまで、半年以上待たなければいけない人たちが、たくさんいます。

 

 

 

 

長期間雨漏りから守るためには、災害ボランティアといえど丁寧な仕事をしなければいけないと思っています。高所作業な上に、屋根の瓦は滑ります。そんな場所で丁寧な仕事を、一般のボランティアが出来るでしょうか?

 

 

つづく…

【台風15号・19号支援 千葉】被災地で待ってる人がいる その2