【台風15号・19号支援 千葉】被災地で待ってる人がいる その2

 

日常では、演出家や脚本家、コメディアンなど多方面で活躍されている福島カツシゲさん。国内で災害が発生すると、忙しい仕事の合間を縫って災害ボランティアとして活躍しています。今回は、台風15号と台風19号の被害を受けた千葉県鋸南町へ駆けつけてくれました。

福島カツシゲさんによる現地レポートを2回に分けてお届けします。

【台風15号・19号支援 千葉】被災地で待ってる人がいる その1

 


 

 

先日、茅葺屋根の補修依頼がありました。このあたりには、まだ茅葺屋根の古民家がたくさんあります。本来は専門の業者がする作業です。けれど専門の業者を待っていたら、それこそ半年どころではない期間待たなければいけません。その間、ずっと雨漏りしてる家の中で暮らすのでしょうか?家を出て避難所や仮設住宅で暮らすという考えもあるかもしれません。けれど、それぞれの家庭には、それぞれの事情があります。このお宅には、15年ほど前に旦那さんを亡くされたお母さんが一人で暮らしていました。

 

 

 

 

茅葺屋根は特殊な工法で作られているので手入れも大変なため、トタンで覆われてる事があります。そのトタンが剥がれて茅がむき出しになって飛ばされてしまい雨漏りしていました。その屋根の補修です。これが、屋根の高所作業というレベルを越えた高所でした。

 

 

 

 

お母さんは、ブルーシートで覆われた屋根を喜んでくださいましたが、何よりも、たくさんの災害ボランティアが来てくれた事が嬉しかったとおっしゃっていました。

 

 

 

 

被災された高齢の方が自分で出来る事は限られています。家具を移動する事も難しいです。思い出の物を守るために、濡れない場所に少しづつ運ぶのが精一杯です。雨が降る度に、雨漏りが酷くなっていき、大切なものを守れる場所が小さくなっていきます。普通なら住めないような、今まで住んだ事がないような状況で暮らしています。これから、そこで過ごさなければいけない時間が、どれくらい長くなるかも想像できないです。

 

一人暮らしのおじいちゃんやおばあちゃんは、避難所の情報や、いろいろな制度(罹災証明をもらう事すら)を知らない人もいます。避難所に行かず、自宅で過ごす人がいます。知らないだけが理由ではなく、「もう何年も生きないから諦める」と言います。「もう何年も生きないから、せめて愛着のある自宅で」と言います。

 

千葉だけではなく、長野や福島、宮城も栃木も大変です。14都府県の300以上の市区町村が被災しています。いたるところで、土砂災害、家屋の損壊、床上・床下浸水、屋根の破損による雨漏りなど、違った被災状況で困ってる人がいます。もう災害ボランティアだけでは立ち行かない状況になってるんじゃないかなと思うのです。

 

災害ボランティアが駆けつけてくれた場所はいい方です。被災直後は、鋸南町も木更津・君津と館山に挟まれて、通り過ぎられた町です。報道は、被害が分かりやすくて車で行きやすい場所を選びます。悲しんでいる人を探してカメラを回します。声をあげられない人、声をあげずに我慢してる人にはなかなかカメラを向けません。

 

災害ボランティアに行く人、行けない人、行かない人がいます。誰が正しくて、誰が間違っているという話ではありません。誰にも都合があり、事情があり、一緒にいたいと思う人がいるだろうと思います。けれど、被災した人たちは、それらを理不尽に奪われた人たちです。

 

もし、あなたが災害に遭ったら、誰かの助けを必要とします。間違いなく助けて欲しいと思うでしょう。

 

それは、家の中に入ってしまった泥をかき出してくれる人かもしれません。大切なモノや使えるモノを一緒に家から運び出してくれる人かもしれません。屋根の雨漏りを補修してくれる人かもしれません。ただ、話を聞いてくれる人かもしれません。

 

 

大事なのは、それを想像出来るかどうかだと思います。

 

 

様々な形の支援があります。被災地で待ってる人がいます。けれど、そこに行ける人が極端に少ない、そんな場所には、どういうサポートをするべきなのかを考えています

 

鋸南町では、高所作業で屋根の補修が出来る人を求めています。

 

 

 

そして、福島県いわき市でも人の手を必要としています。

◆台風19号 緊急支援 福島県いわき市災害ボランティア(現地集合・現地解散 ※宿泊場所有)