【モザンビーク】生活を支える農業再開のために

PBVでは、今年の3月にサイクロン・イダイの被害を受けたモザンビーク中部のソファラ州ブジ郡ニャミチンド地区で、住民の支援活動を行っています。
ニャミチンド地区は、PBVスタッフと地元カンターパートナー団体のKulimaが拠点にしているベイラ市から車で3時間半ぐらい行ったところにあります。舗装道路から離れてバオバブ畑が点々と生える平野部に位置するニャミチンド地区には約3,500世帯の人々が暮らしています。

 

PBVとKulimaでは6月~7月にかけてニャミチンドの集落12か所で食料と種子の配布を実施してきました。この配布では、高齢者の世帯や女性だけで子育てをしている世帯、体の不自由な家族のいる世帯など、生活再建が特に困難な1,500世帯に対して、野菜の種子などを配布しました。配布した種子は各集落の共同農園に植えられ、今では苗と呼べる大きさに成長しています。

 

 

 

 

持続可能な農業を実践していくための農業ワークショップを開催しました。ワークショップは、農業普及員から野菜の苗を各世帯の畑に移植する際の注意点の指導のほか、化学薬品を使わずに地元で手に入る植物を使った殺虫剤の作り方の実演、畑に出て実際に畑を作って移植作業を実施するなど、とても充実した内容でした。この農業ワークショップは、ただ物資を配るだけの支援ではなく、これをきっかけに地元の人の今後の暮らしに役立つ学びや交流の場も提供したい、というKulimaとPBVの思いから実現しました。

 

ニャミチンド地区の12の集落から集まった24名の参加者は、ここで学んだことを集落の人々に伝える任務を担っています。そのため、参加者はみんな熱心にメモを取り、質問や意見、集落の抱える課題について活発に議論していました。また、オーガニックな殺虫剤づくりの実演や畑での実地研修では、率先して作業に参加していました。

 

 

 

 

朝の10時から夕方の4時過ぎまで続いたワークショップでしたが、参加者からは「学ぶことが多くて楽しかった、集落で他の人に伝えたい」との声が聞こえました。サイクロンは農作物の生産にも大きな被害を出しましたが、村の人々は不自由な中、少しずつ生活再建に向けて動き出しています。住民の皆さんが早く安心して暮らせるよう、PBVでは「誰も取り残さない」支援を続けていきます。

 

 

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