12月23日、石巻市立橋浦小学校で、クリスマス特別イベントが行われました。『五体不満足』で知られる乙武洋匡さんによる特別授業、FUNKISTによるライブ、そしてこの学校に通う子どもたちで結成した「音楽ボランティアクラブ」による演奏会です。
乙武洋匡さんとピースボートの出会いは、昨年4月に地球一周クルーズの洋上講師・水先案内人としてご乗船いただいたことがきっかけ。その後、被災地に実際に足を運び、子どもたちを元気づけたいというご相談をいただき、5月に渡波小学校での特別授業が行われました。その時の様子は、乙武さんの本「希望 僕が被災地で考えたこと」の中にも登場します。
その後、乙武さんは自身もファンだと言うバンド・FUNKISTと7月に石巻を再訪、橋浦小学校でもイベントを行いました。FUNKISTの皆さんはサッカー好きで、またボーカルの染谷さんが南アフリカにルーツが持つこともあって、2010年の南アフリカW杯ではピースボールプロジェクトにご協力いただきました。そのほか、クルーズや主催した国際会議のステージなどにもご出演していただくなどしてきました。
FUNKISTのヴォーカル染谷西郷さん。
2008年幕張メッセ「9条世界会議」にて
橋浦小学校には、被災した吉浜小、相川小学校の生徒も通っています。ピースボートでも、炊き出しなどで何度も訪れた場所です。今回、乙武さんとFUNKISTがここを訪問するのは7月以来のこと。FUNKISTがライブなどで集め橋浦小に届けた寄付は、子どもたちの楽器に変わり、3校の生徒でつくる「音楽ボランティアクラブ」が結成されました。今回のイベントは、その楽器を使って、みんなでセッションしたい!という想いから決まったものです。ピースボートでも、会場の設営やお菓子のプレゼントなど、お手伝いさせてもらいました。
イベントの司会は、彼ら二人とも親交の深いロフトプロジェクトの上野祥法。3月の震災当初から、長く石巻の活動を引っ張ってきてくれた仲間です。
乙武さんによる特別授業。自身の体験談から、諦めない気持ちを子どもたちに。
子ども達の踊りや3校の校歌が合唱された後、みんなで「あわてんぼうのサンタクロース」のセッション。
FUNKISTによるスペシャルライブでは、「絆」という新曲が披露されました。7月の橋浦小で聞いた「将来、人助けができる大人になりたい」という子どもたちの言葉に感動した乙武さんが作詩を担当したとのこと。
アンコールの声に合わせて、乙武さんとFUNKISTは、サンタクロースの衣装で再登場。曲の後、クリスマスプレゼントを渡しました。ピースボートからは前日に作ったチョコバナナを。
最後はみんなで記念写真。乙武さん、FUNKISTの皆さん、そして「音楽ボランティアクラブ」のみんな、たくさん笑えた楽しい1日でした。本当にありがとうございました!
photo:Yoshinori Ueno, Stacy Hughes, PEACE BOAT