年頭のご挨拶

 

 

2016年の新春を迎えるにあたり、年頭の御挨拶を申し上げます。
一般社団法人 ピースボート災害ボランティアセンターも、2011年の設立以来5回目の新春を迎えることができました。これもひとえにご支援、ご協力頂いております団体、企業の皆様やボランティアの皆様の温かいご理解、ご協力の賜物と感謝申し上げる次第です。

 

さて、去年2015年は、NGOピースボートが災害支援活動に携わるきっかけともなった阪神淡路大震災から20年の年でもありました。3月には、防災に関する世界的な枠組みを話し合う「第3回 国連防災世界会議」が仙台で開催され、市民参加の会議にすべく、104団体が集まった日本の市民ネットワークJCC2015をはじめ、多くの関係者のご協力の元、「市民防災世界会議」を実施できました。沢山の方々のご参加をいただき成功裏に終えることができました。

 

その後、バヌアツで発生したサイクロン被害やネパールでの地震災害に対して職員を派遣し支援活動を実施しました。ネパール地震の被害は大きく、レンガ造りの建物の多くは倒壊し、子ども達の学ぶ場も奪われました。地元の団体や地域の方達のご協力をいただきながら、仮設校舎の建設という海外での支援活動としては規模の大きい活動に取り組むことになりました。

 

そして、国内では、東日本大震災以降の水害としては最大規模の浸水被害となってしまった関東・東北豪雨災害に対して、茨城県常総市を中心に約3ヶ月間の支援活動を展開しました。

 

本年3月には、東日本大震災から丸5年を迎えます。
宮城県石巻市には、未だに5,000世帯余りが仮設住宅で暮らし続けています。去年から徐々に復興公営住宅への移転も進み出しています。しかし、地域にあった課題も変化していき、人口の流出や少子高齢化、担い手の不足、産業の空洞化など、元々あった地域課題がより顕在化してきています。福島の故郷を離れ避難されている方々とって、先を見通すことが難しい問題が未だに存在します。地域課題の変化と共に、私たちの関わり方も柔軟に変えていきながら、共に取り組んでいきたいと考えております。

 

本年も地道に防災教育や災害ボランティアの育成などを通じて、災害への備えに取り組んで参ります。皆様にご協力いただき、私たちの役割を果たすべく精一杯、迅速な対応ができるよう準備してまいりますので、一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

 

本年が皆様にとりまして幸多い年となりますよう心からお祈り申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

2016年1月
一般社団法人 ピースボート災害ボランティアセンター
代表理事 山本隆