4月25日にネパールで発生した大地震では、時間が経つにつれ被害規模が明らかになり、発災から日を追うごとに死者数、負傷者数、倒壊家屋の数が激増していきました。強い揺れによってネパールでは、建物の倒壊、雪崩、土砂災害が発生し、7000人以上の方々が亡くなりました。周辺のインド、中国、バングラディシュなども人的な被害が出ています。
ネパール周辺にあるプレートが引き起こす大規模地震の危険性は以前から指摘されており、仙台での国連防災世界会議でも話題に上がっていました。しかし、地域によっては建物がレンガで造られたものも多く、耐久性が比較的弱いために被害が拡大しました。
到着後すぐに今回のネパールにて協働して支援活動を行う(特活)「シャプラニー=市民による海外協力の会(以下、シャプラニール)」の事務所にて日本と現地の職員と共に、被害状況や今後の活動に関して打ち合わせを行いました。
その後、広く現地情報を得るために国連機関が行っている国際NGOネットワークや現地NGOとのミーティングにも参加しました。そこでは、現在の食料確保状況や今後の見込み、支援調整の仕組み、地元の方々が直面する可能性のある課題等について話し合われました。
今回の先遣調査には、現地の状況を日本のみなさんにお知らせする為に、市民ニュースサイト「8bit News」の方も同行していただいてます。早速、現地の映像がWeb上にアップされておりますので、ご覧下さい。
■Nepal report (1)
https://www.youtube.com/watch?t=221&v=qn3cVqEO7_Q
■Share the 2 minutes of silence with Nepal:ネパールと2分間の黙祷を
https://www.youtube.com/watch?v=EpzL7kEn0fg
活動を一緒に行うシャプラニールは、1972年に設立された日本の中でも歴史の長い国際協力NGOです。特に、ネパールやバングラディシュなど南アジアの貧しい人々の生活課題の改善を目指して草の根の活動を展開しています。PBVは、ネパールとの繋がりが少ないため、今回の支援活動ではネパールに現地事務所もあり、現地での情報や豊富な活動経験のあるシャプラニールと協力しながら支援活動を行う事になりました。
5月7日にカトマンズの北東に位置するヌワコット郡での物資支援を行いました。ヌワコット郡は、ネパール政府によると約7300世帯が全壊する甚大な被害を受け、政府から優先地域に指定されています。多くの方達はブルーシートを利用し、簡易な避難場所を作て、野外での寝泊りを強いられています。首都のカトマンズなどでもブルーシートを手に入れることは難しく、多数の家族が1枚のブルーシートを使って一緒に寝ている状況です。また、食料支援も充分に届いておりません。学校も半壊し、地元の子ども達は学校に通うことが出来ていません。来月頃からは雨季が始まるため、早急な住まい確保が必要になってきます。
物資支援は、シャプラニールと現地NGOのSocial Work Institute(SWI)と協力し、2つの村の100世帯に対して食料の配布を実施しました。配布した食料は、米30kg、レンズ豆5kg、チウラ2kg(ネパールの干し米:米を一度蒸し、平たく潰し乾燥させたもの)、大豆油2ℓ、塩1kg、石鹸2つです。これらは、5人家族で5~10日分の食料に相当します。
首都カトマンズでは、子どもの支援を行っている現地NGOのChild Workers In Nepal(CWIN)の事務所には、ボランティアを希望する人達が毎日200名前後の詰め掛けています。しかし、ボランティアとニーズのマッチングが追いついておらず、ボランティア希望者を断っている状況です。また、ボランティア活動の参加者も安全管理に関する知識が少ないのも課題となっています。そこで、CWIN職員のみなさんとミーティングを行いながら、災害ボランティアセンター機能の強化や、職員への安全管理や災害支援を行う際の注意事項に関するレクチャーを実施していく予定です。
引き続き、支援募金のご協力お願い致します。
■2015年ネパール地震被害 緊急支援募金 詳細はこちら
※今回の先遣職員の派遣調査は、認定NPO法人ジャパンプラットフォーム(JPF)の助成を受けて実施ています。被災者への支援は、皆様のご寄付によって行っております。